pisar は「踏む・踏み入れる」を表す動詞
スペイン語の動詞 pisar は、基本的に「踏む」「足を踏み入れる」という意味を表します。
単に「歩く」というよりも、足をどこかに置く、何かの上に足を乗せるという感覚が中心にあります。
- 踏む・踏みつける:足、地面、水たまり、アクセルなどを踏む
- 足を踏み入れる:芝生、家、学校など、ある場所に入る
- 比喩的な意味:人を踏みつけにする、先を越す、横取りする
日本語では「踏む」「入る」「横取りする」など複数の訳になりますが、まずは「足を置いて、上から押さえる」という基本イメージで考えると理解しやすくなります。
pisar の活用
pisar は -ar 動詞の規則変化です。活用そのものは比較的覚えやすい動詞です。
分詞
| 種類 | 形 |
|---|---|
| 現在分詞 | pisando |
| 過去分詞 | pisado |
直説法
現在形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | piso |
| tú(vos) | tú: pisas vos: pisás |
| él / ella / usted | pisa |
| nosotros / nosotras | pisamos |
| vosotros / vosotras | pisáis |
| ellos / ellas / ustedes | pisan |
点過去形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pisé |
| tú | pisaste |
| él / ella / usted | pisó |
| nosotros / nosotras | pisamos |
| vosotros / vosotras | pisasteis |
| ellos / ellas / ustedes | pisaron |
線過去形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pisaba |
| tú | pisabas |
| él / ella / usted | pisaba |
| nosotros / nosotras | pisábamos |
| vosotros / vosotras | pisabais |
| ellos / ellas / ustedes | pisaban |
未来形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pisaré |
| tú | pisarás |
| él / ella / usted | pisará |
| nosotros / nosotras | pisaremos |
| vosotros / vosotras | pisaréis |
| ellos / ellas / ustedes | pisarán |
可能法(過去未来)
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pisaría |
| tú | pisarías |
| él / ella / usted | pisaría |
| nosotros / nosotras | pisaríamos |
| vosotros / vosotras | pisaríais |
| ellos / ellas / ustedes | pisarían |
命令法
肯定命令
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| tú(vos) | tú: pisa vos: pisá |
| él / ella / usted | pise |
| nosotros / nosotras | pisemos |
| vosotros / vosotras | pisad |
| ellos / ellas / ustedes | pisen |
否定命令
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| tú(vos) | tú: no pises vos: no pisés |
| él / ella / usted | no pise |
| nosotros / nosotras | no pisemos |
| vosotros / vosotras | no piséis |
| ellos / ellas / ustedes | no pisen |
接続法
現在形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pise |
| tú(vos) | tú: pises vos: pisés |
| él / ella / usted | pise |
| nosotros / nosotras | pisemos |
| vosotros / vosotras | piséis |
| ellos / ellas / ustedes | pisen |
過去形(ra形)
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pisara |
| tú | pisaras |
| él / ella / usted | pisara |
| nosotros / nosotras | pisáramos |
| vosotros / vosotras | pisarais |
| ellos / ellas / ustedes | pisaran |
pisar のコアイメージ
pisar のコアイメージは、足を置いて、上から押さえることです。
このイメージから、次のように意味が広がります。
- 足で物を踏む
- ある場所に足を踏み入れる
- 相手を押さえつけるように扱う
- 人のアイデアや発言を先に取ってしまう

pisar は「踏む」と覚えれば大丈夫ですか?

まずは「踏む」でよいです。ただし、すべての文を「踏む」と訳せるわけではありません。「足を置く」「踏み入れる」「押さえつける」という感覚を、文脈に合わせて日本語に直すのが大事です。

つまり、コアイメージは訳語を決めるものではなく、意味を考える手がかりですね。

その通りです。pisar のイメージは、意味を丸暗記する代わりではなく、文脈を読むための道しるべとして使うと理解しやすくなります。
pisar の基本的な意味と使い方
足で踏む・踏みつける
もっとも基本的な意味は「踏む」「踏みつける」です。足で何かの上に乗る、または足で押す場面で使います。
Pisé un charco sin darme cuenta.
直訳:私は気づかずに水たまりを踏んだ。
意訳:気づかないうちに水たまりを踏んでしまいました。
Me pisaste el pie.
直訳:君は私の足を踏んだ。
意訳:足を踏まれました。
No pises la alfombra con los zapatos mojados.
直訳:濡れた靴でじゅうたんを踏まないで。
意訳:濡れた靴のままじゅうたんに上がらないでください。
車の「アクセルを踏む」は、pisar el acelerador と言えます。
Pisé el acelerador.
直訳:私はアクセルを踏んだ。
意訳:アクセルを踏みました。
場所に足を踏み入れる
pisar は、場所に「足を踏み入れる」「入る」という意味でも使われます。
ただし、単なる「入る」は一般に entrar です。pisar は「その場所に足を踏み入れる」という感覚が強く、否定文では「もう行かない」「もう近づかない」というニュアンスが出ることがあります。
No pises el césped.
直訳:芝生を踏まないで。
意訳:芝生に入らないでください。
Hace años que no piso esa escuela.
直訳:私は何年もその学校に足を踏み入れていない。
意訳:その学校には何年も行っていません。
No volveré a pisar esa casa.
直訳:私は再びその家に足を踏み入れないだろう。
意訳:私は二度とあの家には行きません。
pisar の比喩的な使い方
pisar は、物理的に足で踏むだけでなく、比喩的にも使われます。
比喩的な用法は文脈によって意味が変わるため、初級〜中級段階では基本義を押さえたうえで、よく使われる表現から覚えるのが安全です。
人を踏みつけにする・不当に扱う
人を目的語にして、相手を押さえつけるように扱う、軽く見る、不当に扱うという意味になることがあります。
No dejes que nadie te pise.
直訳:誰にも君を踏みつけにさせるな。
意訳:誰にも不当に扱われないようにしなさい。
この使い方では、物理的に足で踏むというよりも、相手の立場や気持ちを軽く扱うイメージです。
先を越す・横取りする
pisar は、アイデアや発言などについて「先を越す」「横取りする」という意味で使われることがあります。
ただし、一般的な「盗む」は robar です。pisar la idea のような表現では、「盗む」と断定するよりも「先に言われる」「横取りされる」と考える方が自然です。
Me pisaron la idea en la reunión.
直訳:会議で私のアイデアを踏まれた。
意訳:会議で私のアイデアを先に言われてしまいました。
pisar を使った表現
pisar con cuidado
pisar con cuidado は、「注意して足を置く」「足元に気をつける」という意味です。
ここでの pisar は、単なる「歩く」ではなく、足の置き方に注意が向いています。
Pisa con cuidado porque el suelo está mojado.
直訳:床が濡れているので、注意して足を置いて。(túへの肯定命令)
意訳:床が濡れているから、気をつけて歩いてください。
pisar fuerte
pisar fuerte は、文字どおりには「強く足を踏む」ですが、比喩的に「自信をもって行動する」「存在感を示す」という意味で使われることがあります。
Ella pisa fuerte en el mundo de la música.
直訳:彼女は音楽の世界で強く足を踏む。
意訳:彼女は音楽の世界で存在感を示しています。
文脈によっては、物理的に「強く踏む」という意味にもなります。比喩かどうかは、主語や場面を見て判断します。
pisar el acelerador
pisar el acelerador は「アクセルを踏む」という意味です。車の運転で使う実用的な表現です。
No pises tanto el acelerador.
直訳:そんなにアクセルを踏まないで。
意訳:そんなにスピードを出さないでください。
グアテマラ・ラテンアメリカでの注意点
pisar の基本的な意味である「踏む」「足を踏み入れる」は、広い地域で使われます。
一方で、確認できる範囲では、グアテマラを含む一部の地域で pisar または pisarse が俗語的・下品な性的意味で使われることがあります。
そのため、No pises el césped. や pisar el acelerador のような普通の表現は問題ありませんが、人を目的語にしたくだけた表現や、冗談めいた文脈では注意が必要です。
pisar と混同しやすい動詞の違い
pisar は、日本語訳だけを見ると caminar、entrar、robar などと重なることがあります。
ただし、それぞれ焦点が違います。
- pisar:足を置く、踏む、足を踏み入れることに焦点がある
- caminar:歩くという移動そのものを表す
- entrar:中に入ることを表す
- robar:物やお金などを盗むことを表す

「歩く」は pisar ではなく caminar と覚えた方がいいですか?

基本の「歩く」は caminar です。pisar は「足をどこに、どう置くか」に焦点があります。たとえば pisar con cuidado は、歩く動作全体よりも、足元に注意して足を置く感覚がはっきりします。
caminar は「歩く」という動作全体、entrar は「入る」という動作、robar は「盗む」という行為を表します。
一方、pisar は「足を置く」「踏む」という感覚が中心です。日本語訳が重なっても、どこに焦点があるかを意識すると使い分けやすくなります。
まとめ
pisar は、足を置いて、上から押さえるというイメージを持つ動詞です。
- pisar の基本は「踏む」「踏みつける」
- pisar el acelerador は「アクセルを踏む」
- No pises el césped. は「芝生に入らないで」
- No volveré a pisar esa casa. は「二度とあの家には行かない」
- 比喩的に「踏みつけにする」「先を越す」という意味でも使われる
- 「歩く」は基本的に caminar、pisar は足の置き方や踏むことに焦点がある
- グアテマラを含む一部地域では俗語的な意味もあるため、くだけた文脈では注意する
まずは「踏む」「足を踏み入れる」という基本の使い方を押さえ、そのうえで pisar fuerte や pisar la idea のような比喩表現を少しずつ増やしていくと理解しやすいです。




