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スペイン語の点過去と線過去の使い分け

スペイン語の点過去と線過去の使い分け

スペイン語の直説法点過去形と線過去形の違いを紹介しています。

短い文章なら点過去と線過去を使い分けれるけど、長い文章になると段々わからなくなることってありませんか?

カラベラ
中の人はいっつも混乱してるよ

長い文章の内容ってメインとなる動き(出来事)があって、その周りの描写(心情・周りの景色や反応など)があると思います。

簡単に言うとメインとなる動き(出来事)を点過去で表し、それに関する描写などを線過去で表します。

点過去と線過去の基本的な使いかたのおさらいと例文などを使って点過去と線過去の使い分けを書いていきます。

直説法点過去の基本的な使い方

点過去は既に完了している事柄を述べる時に使われます。

点過去の動詞の活用などについてはこちらを参考にしてください。

参考点過去形の規則変化の活用と使い方

過去の終了した行為や状態を表す

「私は買い物に出かけた」「私はマリアと偶然に会った」「私は彼女と映画を見た」という感じです。

Fui de compras.
私は買い物に行った

Me encontré con María.
マリアと偶然に会った

Vi una película con ella.
私は彼女と映画を見た

限定された時間を表す表現が使われている場合

点過去という言葉から短い時間で行われた行為と捉えがちですがそうではなく、例えば「彼は10年間マドリードに住んでいた」という場合は点過去で言います。

Él vivió diez años en Madrid.
彼は10年間マドリードに住んだ

これは、10年間という限定(特定)された時間だからです。

スペイン語では時間の長さに関係なく、時間を限定する言葉を使うときには点過去を用いるルールがあります。

時間を限定する言葉は以下のような言葉です。

  • todo el día「一日中」
  • toda la mañana「午前中ずっと」
  • en toda mi vida「生まれてからずっと」
  • durante dos meses「2か月間」

Trabajé todo el día.
私は一日中働いた

Fui a Tokio la semana pasada.
私は先週東京に行った

No dormí bien anoche.
私は昨夜よく眠れなかった

直説法線過去の基本的な使い方

線過去は過去の一時点における状況や過去の習慣などを表したり、現在の事柄を婉曲(ていねい)に言うときに使います。

線過去の動詞の活用などについてはこちらを参考にしてください。

参考線過去形の活用(規則・不規則)と使い方

行為や出来事が起こった時の状況

過去の一時点に何か出来事があって、そのときの状況や人や物などの様子を述べる場合。

María se enfadó conmigo porque me dormía en el cine.
マリアは私に腹をたてたなぜなら私が映画館で寝っていたから

マリアが私に腹をたてた(メインの出来事)、私が寝っていた(マリアを怒らせた要因)

Cuando salimos del cine, llovía.
私たちが映画館を出た時に雨が降っていた

私たちが映画館を出た(メインの出来事)雨が降っていた(その時の情景)

過去の習慣

過去に継続していた行為や繰り返し行われていた行為などを表します。

Cuando era niño, jugaba al béisbol en aquel parque.
子供だったころ、あの公園で(よく)野球をしていた

習慣の場合、線過去だと今はその行為が継続されていない可能性の方が高いです。

今もその行為を継続しているなら現在形をつかいます。

Yo veía el curso de español por televisión cada semana.
毎週、テレビスペイン語講座を見ていたものだ

Yo veo el curso de español por televisión cada semana.
毎週、テレビスペイン語講座を見てる
⇒現在も続いている習慣なら現在形で言います。

点過去と線過去の使い分け

では問題です。以下の点過去の文と線過去の文の違いがわかりますか?

El autobús pasó esta calle.
El autobús pasaba esta calle.

El autobús pasó の文は「バスはこの通りを通った」という事実を述べているだけです。

しかし、El autobús pasaba の場合は2つの意味を推測できます。

「(何かが起こった時)そのバスはこの通りを通っていた」または「(習慣的に)バスはこの通りを通っていた」です。

習慣的というのは、バスは路線(巡回)バスでこの通りがそのルートだったなどのことです。

ただ、この文章だけでは判断できないので普通なら前後に関係する文が存在すると思います。

ネイティブの人は El autobús pasaba esta calle. とだけ言われたら「それで?」と思うそうです。

El autobús pasaba esta calle cuando sonó mi móvil.
私の携帯がなったときバスはこの通りを通っていた

El autobús que vimos en el museo pasaba esta calle.
私たちが博物館で見たバスはこの通りを通っていた

では次の文ではどうでしょうか?

Tuve una cita con María.
Tenía una cita con María.

両方「マリアと会う約束があった」と訳せると思うのですが、点過去 Tuve の方はその約束が完了している、つまり「マリアと会った」ことを意味してます。

一方、線過去 Tenía では「会ったかどうかはわからない」となります。

点過去が伝えたいこと、線過去は飾り

話の内容で重要な出来事や動作を点過去で表し、その事実を描写・装飾する動作を線過去で表す。

繰り返しになっていますが、これが点過去と線過去の使い分ける基本のルールとなります。

昔話や子供のころの話をする時は習慣や描写が多いので必然的に線過去が多くなりますが、これで「線過去だけで覚えておけばいい」とはなりませんので注意しください。

点過去と線過去が入り混じってる文章がないかと探していたらこんな文章を見つけました。

El año pasado decidí hacer el Camino de Santiago en bici con unos amigos.

Pedaleábamos todos los días desde que salía el sol hasta que anochecía.

Mientras charlábamos animadamente, contemplábamos los magníficos paisajes.

Mientras descansábamos en una posada, conocimos a un pastor que nos acompañó durante el último tramo del viaje.

Fue una experiencia inolvidable.

Estábamos todos tan contentos que comimos una mariscada para celebrar el fin de nuestra aventura.

https://espanol.lingolia.com/es/gramatica/tiempos-comparacion/imperfecto-indefinido

意味はこんな感じです。

意味

去年、何人かの友達と自転車でサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の旅をすることを決めた。

日の出から日没まで毎日自転車をこいでいた。 お互い勇気づけあってる間も素晴らしい景色を眺めたりしていた。

宿で休んでいる間に道中で私たちに付いてきた羊飼いと知り合った。

それは忘れ難い経験だった。

私たち全員がとてもうれしかったので、旅の終わりを祝してシーフード料理を食べた。

引用先のページではスペイン語ですが、点過去と線過去の使い方を説明していますので、そちらも確認してみてください。

一段落目は、自分がアドバイスをもらった展開のような内容で、「サンティアゴの道をチャリで行くことを決意した」が点過去で、以下はサンティアゴの旅の道中で繰り返しになった動作や描写。

毎日自転車をこぐし、太陽は毎日日の出日の入りを繰り返します。道中互いに勇気づけあってた時には素晴らしい景色が目に入っていたんでしょうね。

conocer は「知る・体験する」って意味ですが、「知り合った」などの動作は一度きりのことも多いので点過去で言うことが多いと思います。

ですが、conocer を線過去で使わないという事ではありませんので気をつけてください。

El conocía los vinos.
彼はワインに精通していた

最後の文は tan que「あまりに~なので~だ」の文なので「~だ」にあたる comimos una mariscada がメインとなる動作なので点過去で言っているんだと思います。

 


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LINE スタンプ作りました

LINEスタンプ(チャスカ日本語とスペイン語)

スペイン語と日本語のセリフを入れた LINE スタンプです。

初めて作った LINE スタンプです。

ネコキャラで名前はチャスカ。チャスカはケチュア語(ペルーなどの先住民族の言葉)で「明けの明星」という意味です。

スタンプの数は32個です。

LINEスタンプの詳細はLINEスタンプ販売ページでご確認ください。

LINE ストアチャスカ(スペイン語と日本語)

 

LINEスタンプ(普段使えるバージョン)

2作目のスタンプ

スペイン語の表示はありませんが、よく使いそうなリアクションや表情をまとめたスタンプです。

いくつかのスタンプには日本語のセリフが入っています。

今作では目の表情などに力を入れてみました。

スタンプの数は40個です。

LINEスタンプの詳細はLINEスタンプ販売ページでご確認ください。

LINE ストアチャスカ(普段使えるリアクション)

  • この記事を書いた人

ヨシ

旅行して好きなった国々の言語がスペイン語だったのでスペイン語を勉強しています。ラテンアメリカばかりを旅行していたので私のスペイン語はラテンアメリカのスペイン語になります。現在は北海道の片田舎に住んでます。

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