スペイン語の hace を使った時間の経過の表現(前に・経つ・前から)

スペイン語の文法
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スペイン語では、動詞 hacer の形である hace を使って、「3年前に」「勉強を始めて3年になる」「3年前から住んでいる」など、時間の経過を表すことができます。

この記事では、hace を使った3つの基本構文を中心に、現在まで続く動作と完了した出来事の違い、過去を基準にした hacía の使い方、類似表現との使い分けを解説します。

なお、時間の経過を表す hacer は非人称動詞として使われます。この用法では、時間が単数でも複数でも動詞は3人称単数形になります。例えば、hace un año(1年前に)も hace tres años(3年前に)も、動詞の形は hace のままです。

1.hace + 時間|「~前に」

  • 「3年前に」「1時間前に」など、現在から見てどれくらい前なのかを表します。
  • 過去の出来事を述べる場合、点過去と組み合わせることが多いです。
  • 過去の状態を表す場合には、線過去などが使われることもあります。

hace + 時間 は、現在を基準にして、ある出来事や状態がどれくらい前にあったのかを示す表現です。

例えば、hace tres años なら「3年前に」、hace una hora なら「1時間前に」という意味になります。

Yo conocí a Manuela hace tres años.
直訳:私はマヌエラと知り合いました、3年前に。
意訳:私は3年前にマヌエラと知り合いました。

Hace una hora hablé con mi madre.
直訳:1時間前に私は母と話しました。
意訳:私は1時間前に母と話しました。

Hace un rato vino María.
直訳:少し前にマリアが来ました。
意訳:マリアは少し前に来ました。

これらの例文では、conocí(知り合った)、hablé(話した)、vino(来た)という点過去を使っています。いずれも、過去に起きた出来事を表しているためです。

ただし、hace + 時間 と組み合わせる動詞が必ず点過去になるわけではありません。

Hace tres años vivía en Perú.
直訳:3年前、私はペルーに住んでいました。
意訳:3年前はペルーに住んでいました。

この例文では、3年前の時点での生活状況を述べているため、線過去の vivía を使っています。

つまり、hace + 時間 は過去の時点を示す表現であり、動詞の時制は、その出来事や状態をどのように表したいかによって決まります。

2.hace + 時間 + que|「~してから~経つ」

hace + 時間 + que + 文 は、ある動作や状態が始まってから、どれくらいの時間が経過したのかを表す構文です。

この構文では、現在まで動作や状態が続いている場合と、すでに完了した出来事からの経過時間を表す場合を区別する必要があります。

現在まで続いている動作・状態

過去に始まった動作や状態が現在も続いている場合、基本的には que 以下の動詞に直説法現在形を使います。

Hace tres años que estudio español.
直訳:3年が経っています、私がスペイン語を勉強するようになってから。
意訳:私はスペイン語を勉強し始めて3年になります。

Hace diez años que vivo en Perú.
直訳:10年が経っています、私がペルーに住むようになってから。
意訳:私はペルーに住んで10年になります。

Hace seis meses que trabajo en esta tienda.
直訳:6か月が経っています、私がこの店で働くようになってから。
意訳:私はこの店で働き始めて6か月になります。

これらの例文では、estudio(勉強している)、vivo(住んでいる)、trabajo(働いている)という現在形が使われています。

日本語では「3年間勉強している」「10年間住んでいる」のように訳せますが、スペイン語では現在形を使って、過去から現在まで続いている動作や状態を表すことができます。

完了した出来事からの経過時間

hace + 時間 + que は、すでに終わった出来事から現在までに経過した時間を表すこともできます。

この場合は、過去の出来事を表す動詞として点過去などが使われます。

Hace un año que terminé el curso.
直訳:1年が経っています、私がその講座を終えてから。
意訳:その講座を終えて1年になります。

Hace dos meses que María cambió de trabajo.
直訳:2か月が経っています、マリアが仕事を変えてから。
意訳:マリアが転職して2か月になります。

Hace tres años que dejé de fumar.
直訳:3年が経っています、私がたばこを吸うのをやめてから。
意訳:禁煙して3年になります。

これらは、講座を終えた、転職した、たばこを吸うのをやめたという、すでに完了した出来事からの経過時間を表しています。

例えば、次の2文を比較してみましょう。

  • Hace tres años que estudio español.(スペイン語を勉強し始めて3年になる)
  • Hace tres años que dejé de estudiar español.(スペイン語の勉強をやめて3年になる)

最初の文では学習が現在も続いていますが、2つ目の文では学習をやめたという過去の出来事からの経過時間を表しています。

同じ hace + 時間 + que でも、que 以下の動詞の意味と時制によって、表す内容が変わります。

否定形「~していない期間」の表し方

hace + 時間 + que の構文は、「しばらく会っていない」「何日も雨が降っていない」など、ある動作が行われていない期間を表す場合にも使います。

基本的には、que 以下に no + 現在形を置きます。

Hace dos meses que no veo a Ana.
直訳:2か月が経っています、私がアナに会わないままで。
意訳:アナにはもう2か月会っていません。

Hace una semana que no llueve.
直訳:1週間が経っています、雨が降らないままで。
意訳:もう1週間、雨が降っていません。

Hace tres días que no duermo bien.
直訳:3日が経っています、私がよく眠れないままで。
意訳:ここ3日間、よく眠れていません。

これらの例文では、現在まで「会っていない」「雨が降っていない」「よく眠れていない」という状態が続いています。

そのため、否定形であっても veo、llueve、duermo という現在形を使っています。

チキータ
チキータ

Hace dos meses que no veo a Ana. は、2か月前にアナに会わなかった、という意味ではないんですね。

ヨシオ
ヨシオ

はい。2か月前の一回の出来事ではなく、2か月間ずっと会っていないという意味です。no の後が現在形でも、過去から続いている期間を表せる点が重要です。

では、「2か月前にアナに会わなかった」と「2か月間アナに会っていない」では、どうスペイン語の表現が異なるのか?

No vi a Ana hace dos meses.
直訳:私はアナに会いませんでした、2か月前に。
意訳:2か月前にアナに会いませんでした。

この例文では、hace dos meses が「アナに会わなかった」という過去の出来事の時点を示しています。ただし、この文だけでは、どのような場面でアナに会わなかったのかが分かりにくいため、具体的な状況を加えてみます。

Hace dos meses fui a una fiesta, pero no vi a Ana.
直訳:2か月前に私はパーティーへ行きました、しかしアナには会いませんでした。
意訳:2か月前にパーティーへ行きましたが、アナには会いませんでした。

上記の例文は、「2か月前のパーティーの席上で、アナに会わなかった」と述べているだけで、その後アナに会ったかどうかは分かりません。

一方、こちらの例文(hace + 時間 + que)は、2か月前から現在までアナに会っていない状態が続いていることを表しています。

Hace dos meses que no veo a Ana.
直訳:2か月が経っています、私がアナに会わないままで。
意訳:アナにはもう2か月会っていません。

つまり、最初の例文では、hace + 時間 を使って、過去の出来事がいつ起きたのかを示しています。一方、hace + 時間 + que + no + 現在形 は、ある動作をしていない状態が、過去から現在まで続いていることを表しています。

過去を基準にする hacía … que

ここまでの hace を使った表現は、基本的に現在を基準として時間の経過を表していました。

一方、過去のある時点を基準として「そのとき、すでに~年が経っていた」と表す場合には、hacer の線過去形である hacía を使うことができます。

Cuando Ana se mudó a México, hacía dos años que estudiaba español.
直訳:アナがメキシコへ引っ越したとき、2年が経っていました、彼女がスペイン語を勉強するようになってから。
意訳:アナはメキシコへ引っ越した時点で、すでに2年間スペイン語を勉強していました。

Cuando llegó el autobús, hacía media hora que esperábamos.
直訳:バスが来たとき、30分が経っていました、私たちが待ち始めてから。
意訳:バスが来たとき、私たちはすでに30分待っていました。

最初の例文では、アナがメキシコへ引っ越した時点が基準です。そのときまでに、スペイン語の学習期間が2年間続いていたことを表しています。

2つ目の例文では、バスが到着した時点を基準として、それまで30分間待っていたことを表しています。

どちらも、過去の基準時点まで継続していた動作を表しているため、que 以下には線過去の estudiaba、esperábamos が使われています。

現在を基準にする Hace tres años que estudio español. と、過去を基準にする Hacía tres años que estudiaba español. を比較すると、違いが分かりやすくなります。

ただし、過去のある時点まで続いていたことを表すだけでは、その動作が現在も続いているかどうかは分かりません。

3.desde hace + 時間|「~前から」

desde hace + 時間 は、「~前から」という意味で、過去に始まった動作や状態が現在まで続いていることを表すときによく使います。

desde は開始時点を示す前置詞で、desde hace tres años なら「3年前から」という意味になります。

基本構造と例文

Estudio español desde hace tres años.
直訳:私はスペイン語を勉強しています、3年前から。
意訳:私は3年前からスペイン語を勉強しています。

Vivo en Guatemala desde hace cinco años.
直訳:私はグアテマラに住んでいます、5年前から。
意訳:私は5年前からグアテマラに住んでいます。

No veo a mis primos desde hace un año.
直訳:私はいとこたちに会っていません、1年前から。
意訳:いとこたちにはもう1年会っていません。

これらの例文では、現在形を使って、過去に始まった動作や状態が現在まで続いていることを表しています。

また、No veo … desde hace un año. のように、「会っていない」という状態が続いている場合にも使えます。

現在までの継続を表す場合、desde hace と hace … que は、基本的にほぼ同じ内容を表すことができます。

例えば、次の2文はどちらも「私は3年前からスペイン語を勉強している」という意味です。

  • Hace tres años que estudio español.
  • Estudio español desde hace tres años.

ただし、すでに完了した一回の出来事を表す場合には、同じように置き換えられるわけではありません。

例えば、Compré este teléfono hace dos años. は「私は2年前にこの携帯電話を買いました」という意味です。

購入という一回の出来事がいつ起きたかを示すため、hace dos años を使っています。この意味のまま、desde hace dos años に置き換えることはできません。

desde と desde hace の違い

desde と desde hace は、どちらも時間の開始を表すときに使いますが、後ろに置く時間表現が異なります。

desde は、具体的な日付や時刻など、開始時点を示すときに使います。

Trabajo aquí desde enero.
直訳:私はここで働いています、1月から。
意訳:私は1月からここで働いています。

一方、desde hace は、現在からさかのぼって、どれくらい前に始まったのかを示すときに使います。

Trabajo aquí desde hace seis meses.
直訳:私はここで働いています、6か月前から。
意訳:私は6か月前からここで働いています。

つまり、desde enero は「1月」という開始時点を、desde hace seis meses は「6か月前から」という継続期間を示しています。

このように、具体的な開始時点を伝えたいのか、それとも現在までにどれくらいの時間が経過したのかを伝えたいのかによって使い分けます。

4.継続期間を表す3つの表現の比較

hace … que・desde hace・llevar + 現在分詞

ここまでに紹介した hace … que と desde hace のほかに、継続期間を表す表現として llevar + 時間 + 現在分詞があります。

現在分詞とは、動詞の語尾を -ando や -iendo などに変えた形です。例えば、estudiar(勉強する)の現在分詞は estudiando です。

この構文では、ある動作が一定期間続いていることを表します。

Llevo tres años estudiando español.
直訳:私は3年間、スペイン語を勉強し続けています。
意訳:私はスペイン語を勉強して3年になります。

Mi hermana lleva dos horas preparando la cena.
直訳:私の姉(妹)は2時間、夕食を準備し続けています。
意訳:私の姉(妹)はもう2時間、夕食の準備をしています。

Llevamos media hora esperando el autobús.
直訳:私たちは30分間、バスを待ち続けています。
意訳:私たちはもう30分、バスを待っています。

この llevar を使った構文では、継続期間、または動作が始まった時点を示す表現が必要です。

基本的には llevar + 時間 + 現在分詞 の順に並べますが、Llevo estudiando español tres años. のように、時間表現を現在分詞の後ろに置くこともできます。

ここで、次の3つの表現を比較してみましょう。

  • Hace tres años que estudio español.
  • Estudio español desde hace tres años.
  • Llevo tres años estudiando español.

いずれも「スペイン語を勉強して3年になる」という、現在まで続いている学習期間を表しています。

それぞれの違いは、主に文の構造と、時間の経過をどのように表現するかという点です。

  • hace … que:ある動作や状態が始まってから経過した時間を示します。
  • desde hace:ある動作や状態が、どれくらい前から続いているかを示します。
  • llevar + 時間 + 現在分詞:ある動作を一定期間続けていることを表します。

継続中の動作については、3つの表現がほぼ同じ内容を表す場合があります。ただし、常に完全に置き換えられるわけではありません。

例えば、Hace un año que terminé el curso. は、すでに講座を終えた出来事からの経過時間を表しています。

一方、llevar + 現在分詞は継続する状況を表すため、この文と同じ意味のまま置き換えることはできません。

また、llevar は動作だけでなく、Llevo tres años viviendo aquí.(ここに住んで3年になる)のような継続的な状態にも使えます。

最初は細かなニュアンスの違いよりも、それぞれの構文でどのような状況を表せるのかを理解すると、使い分けやすくなります。

継続期間の質問と答え方

「どれくらい前からスペイン語を勉強していますか」「どれくらいの期間、ここに住んでいますか」など、継続期間を尋ねるときにも、これまでの構文を使うことができます。

¿Cuánto hace que estudias español?
直訳:どれくらいの時間が経っていますか、あなたがスペイン語を勉強するようになってから。
意訳:スペイン語を勉強してどれくらいになりますか?

¿Desde hace cuánto tiempo vives aquí?
直訳:どれくらい前から、あなたはここに住んでいますか。
意訳:ここに住んでどれくらいになりますか?

¿Cuánto tiempo llevas trabajando en esta empresa?
直訳:どれくらいの時間、あなたはこの会社で働き続けていますか。
意訳:この会社で働いてどれくらいになりますか?

最初の例文では、hace … que の構文を使って経過時間を尋ねています。

2つ目の例文では、desde hace cuánto tiempo を使って、現在までの継続期間を尋ねています。

3つ目の例文は、llevar + 現在分詞を使った疑問文です。継続している動作の期間を質問するときに使えます。

例えば、¿Cuánto hace que estudias español? と尋ねられた場合は、Hace tres años que estudio español. や Estudio español desde hace tres años. のように答えることができます。

チキータ
チキータ

継続している期間を伝えるときは、いつも同じ構文を使わなければいけないわけではないんですね。

ヨシオ
ヨシオ

はい。例えば、スペイン語を3年間勉強している状況なら、hace … que、desde hace、llevar + 現在分詞のいずれでも表せます。ただし、すでに終わった出来事の経過時間を述べる場合は、同じように置き換えられない点に注意してください。

まとめ

スペイン語の hace を使った時間表現では、「過去の出来事の時点」「現在までの継続」「完了した出来事からの経過時間」を区別することが重要です。

  • hace + 時間:「~前に」。現在を基準として、過去の時点を表します。
  • hace + 時間 + que + 現在形:「~してから~経つ」。現在まで続いている動作や状態を表します。
  • hace + 時間 + que + 点過去:完了した出来事から現在までの経過時間を表します。
  • hace + 時間 + que + no + 現在形:「~していない期間」を表します。
  • hacía + 時間 + que:過去のある時点を基準に、経過時間を表します。
  • desde hace + 時間:「~前から」。過去に始まった動作や状態が現在まで続いていることを表すときによく使います。
  • llevar + 時間 + 現在分詞:一定期間、動作や状態が続いていることを表します。

例えば、「3年前にスペイン語を勉強した」と言う場合と、「3年前から現在までスペイン語を勉強している」と言う場合では、必要な構文や動詞の時制が異なります。

過去の出来事について述べているのか、現在まで続いている動作について述べているのかを意識すると、それぞれの表現を使い分けやすくなります。

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北海道小樽市在住。2008年、スペイン語をほとんど学ばないまま中南米へ。2008〜2017年の間にグアテマラ・アンティグアの語学学校「アタバル」で3度にわたり、合計約14か月スペイン語を学びました。

2016年に自身の学習の備忘録としてブログを開設。2025年からはAIも活用しながら、辞書や文法資料を参照し、過去の記事を一つずつ見直しています。

スペイン語を学ぶ方の参考になれば嬉しいです。▶詳しいプロフィールはこちら

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