スペイン語動詞 querer の活用と意味|愛する・したい・点過去の重要ニュアンス

教会の前で花束を持った女性のイラスト 動詞の活用と意味
記事内に広告が含まれています。
どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

スペイン語の動詞 querer は、「~したい」という願望や、「愛する」という感情を表す、日常会話で最も頻繁に使われる動詞の一つです。

使用頻度が高い一方で、活用には不規則変化が多く含まれます。また、過去形においては「点過去」と「線過去」で意味のニュアンスが大きく異なるため、正確な理解が必要です。

この記事では、querer の全活用パターンを網羅した表と、文法的に正しい使い方、そしてラテンアメリカでも通じる自然な表現を解説します。

スポンサーリンク

スペイン語の動詞 querer の活用

querer の活用における主な特徴は以下の通りです。

  • 語幹母音変化(e ⇒ ie):直説法現在、接続法現在、命令法の一部で発生します。
  • 語根の不規則変化(quis- / querr-):直説法点過去、未来、過去未来、接続法過去などで発生します。

分詞(現在分詞・過去分詞)

現在分詞と過去分詞は、er動詞の規則変化です。

種類活用
現在分詞queriendo
過去分詞querido

直説法(現在・点過去・線過去・未来)

直説法現在形

語幹の e が ie に変化する語幹母音変化動詞です。ただし、nosotros と vosotros は変化しません。

主語活用
yoquiero
tú vosquieres / querés
él / ella / ustedquiere
nosotros / nosotrasqueremos
vosotros / vosotrasqueréis
ellos / ellas / ustedesquieren

直説法点過去形

語根が quis- に変化する強い不規則活用です。アクセント記号は付きません。

主語活用
yoquise
quisiste
él / ella / ustedquiso
nosotros / nosotrasquisimos
vosotros / vosotrasquisisteis
ellos / ellas / ustedesquisieron

直説法線過去形

er動詞の規則変化です。語尾にアクセント記号が付きます。

主語活用
yoquería
querías
él / ella / ustedquería
nosotros / nosotrasqueríamos
vosotros / vosotrasqueríais
ellos / ellas / ustedesquerían

直説法未来形

語根が querr- に変化します。「rr」の部分は巻き舌で強く発音します。

主語活用
yoquerré
querrás
él / ella / ustedquerrá
nosotros / nosotrasquerremos
vosotros / vosotrasquerréis
ellos / ellas / ustedesquerrán

※ 1人称複数(nosotros)の querremos(未来形・巻き舌あり)は、現在形の queremos(巻き舌なし)と発音で区別する必要があります。

可能法(過去未来)

未来形と同様に語根が querr- に変化します。

主語活用
yoquerría
querrías
él / ella / ustedquerría
nosotros / nosotrasquerríamos
vosotros / vosotrasquerríais
ellos / ellas / ustedesquerrían

※ 線過去形の quería と区別するため、「rr」をしっかりと巻き舌で発音することが重要です。

命令法(肯定・否定)

肯定命令の tú は直説法現在形(3人称単数)と同じ形(quiere)、vos は語尾にアクセント(queré)となります。

主語肯定命令否定命令
quiereno quieras
vosqueréno querás
ustedquierano quiera
nosotrosqueramosno queramos
vosotrosqueredno queráis
ustedesquieranno quieran

接続法(現在・過去)

接続法現在形

直説法現在形と同様に e ⇒ ie の語幹母音変化をしますが、nosotros と vosotros は変化しません。

主語活用
yoquiera
tú vosquieras / querás
él / ella / ustedquiera
nosotros / nosotrasqueramos
vosotros / vosotrasqueráis
ellos / ellas / ustedesquieran

接続法過去形(ra形)

直説法点過去(quisieron)をベースにした不規則変化です。現在は -ra 形が一般的ですが、文学などでは -se 形も使われます。

主語活用
yoquisiera
quisieras
él / ella / ustedquisiera
nosotros / nosotrasquisiéramos
vosotros / vosotrasquisierais
ellos / ellas / ustedesquisieran
スポンサーリンク

スペイン語の動詞 querer の意味と使い方

querer の基本的な意味と、会話で頻出する表現を例文とともに解説します。

1. ~が欲しい(「欲する」+ 名詞)

「querer + 名詞」で、具体的な物や事柄を欲していることを表します。

Quiero una moto nueva.
直訳:私は新しいバイクを一台欲する。
意訳:新しいバイクが欲しい。

Quien todo lo quiere, todo lo pierde.
直訳:すべてを欲する者は、すべてを失う。
意訳:二兎を追う者は一兎をも得ず。

2. ~したい(「願望」+ 不定詞)

「querer + 動詞の原形(不定詞)」で、自分や主語自身の行動に対する願望を表します。

Quiero saber la verdad.
直訳:私は真実を知ることを欲する。
意訳:本当のことを知りたい。

Queremos comer comida peruana.
直訳:私たちはペルー料理を食べることを欲する。
意訳:ペルー料理が食べたい。

3. ~してほしい(「要求」+ que + 接続法)

「querer + que + 接続法」の形をとると、自分ではなく「誰か他の人」に対して何かをしてほしいという要求になります。従属節(que以下)の動詞は必ず接続法になります。

Queremos que él venga temprano.
直訳:私たちは彼が早く来ることを欲する。
意訳:彼には早く来てもらいたい。

Quiero que te vayas conmigo.
直訳:私は君が私と一緒に行ってしまうことを欲する。
意訳:僕と一緒に行かないかい?(一緒に行ってほしい)

4. 愛する・好む(対人・対ペット)

人や愛玩動物に対して使う場合、「愛している」「大切に思っている」という意味になります。
この場合、直接目的語(愛する対象)の前には前置詞「a」が必要です。

Quiero mucho a mi gato.
直訳:私は私の猫をとても愛している。
意訳:うちの猫が大好きだ。

Te quiero.
直訳:私は君を愛する。
意訳:君のことが大好きだよ。

コラム:Te quiero と Te amo の違い

スペイン語には「愛する」という意味の動詞が主に2つあります。ラテンアメリカにおける一般的な使い分けは以下の通りです。

  • Te quiero (querer): 家族、友人、恋人に対して広く使われます。親愛の情や日常的な愛情表現です。
  • Te amo (amar): 主に深く愛し合っている恋人や夫婦、または親から子への無償の愛などに使われます。querer よりも重みがあり、情熱的あるいは詩的な響きがあります。

5. 丁寧な依頼表現(いかがですか?/~したいのですが)

直接的な表現を避け、相手への配慮や丁寧さを表すために、特定の時制が使われます。

相手に勧める(~はいかがですか?)

Usted(あなた)に対して現在形を使います。

¿Quiere café?
直訳:あなたはコーヒーを欲しますか?
意訳:コーヒーはいかがですか?

控えめな願望(~したいのですが)

書き言葉やフォーマルな場では接続法過去(quisiera)が、口語的な会話では線過去(quería)がよく使われます。

Quisiera mandar este paquete a Japón.
直訳:私はこの小包を日本へ送ることを欲するのですが。
意訳:この小包を日本へ送りたいのですが。(フォーマル)

Quería pedirte un favor.
直訳:私は君に一つお願いをすることを欲していた。
意訳:ちょっとお願いがあるんだけど。(カジュアル~標準)

6. 【重要】点過去と線過去の意味の違い

querer は過去形で使われる際、点過去(完了した行為)と線過去(継続中の状態)で意味のニュアンスが変化します。

点過去(Quise…):試みた / 拒絶した

肯定文では「~しようと試みた(行為の着手)」、否定文では「~することを拒絶した(強い拒否)」を表すことが一般的です。

Quise abrir la puerta.
直訳:私はドアを開けることを欲した(そして試みた)。
意訳:ドアを開けようとした(が開かなかった)。

No quise comer.
直訳:私は食べることを欲さなかった(その時点で拒否した)。
意訳:私はどうしても食べようとしなかった(食べるのを拒んだ)。

線過去(Quería…):したかった(気持ち)

過去のある時点において「~したいという気持ちがあった」という精神的な状態を表します。その願望が実現したかどうかは文脈によります。

Quería comprarlo, pero no tenía dinero.
直訳:私はそれを買うことを欲していたが、お金を持っていなかった。
意訳:それを買いたかったけれど、お金がなかった。

7. よく使う熟語表現:Sin querer

「~するつもりはなく」「うっかり」という意味で、言い訳や状況説明で非常によく使われる表現です。

Lo hice sin querer.
直訳:私は欲することなくそれをした。
意訳:わざとやったんじゃないんだ(うっかりやってしまった)。

まとめ

スペイン語の動詞 querer は、不規則変化が多く、文脈によって意味が変化する奥深い動詞です。

  • 活用:現在形や命令法での語幹母音変化(e ⇒ ie)と、点過去や未来形での不規則変化を覚えることが重要です。
  • 意味:「欲しい」「~したい」が基本ですが、「~してほしい(接続法)」や「愛する(a + 人)」の使い方も頻出です。
  • 過去形:点過去は「試み・拒絶」、線過去は「願望(状態)」と区別して理解しましょう。
タイトルとURLをコピーしました