どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。日本語訳は直訳寄りです。文法や単語の意味を理解するため、自然な日本語とは異なる場合があります。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。
スペイン語の義務を伝える表現には deber, tener que, hay que の3つがあります。
日本語訳ではそれぞれ「~しなければならない」と訳せるのですがニュアンスがちょっと違ったりします。
本記事では、deber, tener que, hay que 3つのしなければならないの違いなどを紹介していきます。
スペイン語の義務表現「~しなければならない」
スペイン語の義務表現「~しなければならない」の deber, tener que, hay que を詳しく紹介していきます。
動詞 deber + 不定詞の「~しなければならない」
動詞 deber の意味自体が「~しなければならない」で3つの中で一番強い義務のニュアンスがあります。
文章によっては「~すべきだ」と断定的に訳すことの方がいいこともあります。
Debemos regresar.
私たちは戻らなければならない
Debes ayudarla.
君は彼女を助けなければならない
Debiste hacerlo.
君はそれをするべきだった
否定文は「するべきではない、してはいけない」
否定文 no deber + 不定詞は「するべきではない、してはいけない」といった意味で、禁止のニュアンスが出てきます。
No debes tocarlo.
君はそれに触ってはいけない
No debes decir eso.
それを言ってはいけない
No deben entrar.
あなたたちは入ってはいけない
このように1人称(私、私たち)以外の場合は肯定・否定文ともに強い義務・禁止のニュアンスがあるので、相手によっては不快に感じることもあるので注意してください。
deber の可能法(過去未来)の活用で柔らかく言う
可能法(過去未来)には婉曲表現のニュアンスが含まれているので、deber の可能法の活用を使うと柔らかい言い回しになります。
日本語だと「すべきじゃないか、したほうがいいのではないか」などといった感じになります。
Deberías ayudarla.
君は彼女を助けるべきじゃなか
Deberías saberlo.
君はそれを知っておいた方がいいよ
Deberían trabajar más.
彼らはもっと働くべきじゃないか
動詞 deber の活用や基本的な意味についてはこちらを参考にしてください。
動詞 deber「すべきである、しなければいけない」の活用と意味【例文あり】
動詞 tener que + 不定詞の「~しなければならない」
動詞 tener que + 不定詞の「~しなければならない」は義務よりは必要性のニュアンスがある表現だと思います。
分解すると tener は「持つ」という意味で、que + 不定詞が「~すべき」という意味になります。
直訳で「(主語は)~すべきことを持っている」となり「する必要がある、しないといけないことがある」⇒「しなければならない」となっている思います。
Tengo muchas cosas que hacer.
私にはすべきことがたくさんある
Tengo que hacer muchas cosas.
私はたくさんのことをしなければならない
Tenemos que limpiar la cocina.
私たちは台所を片付けないといけない
Tenías que estudiar inglés.
君は英語を勉強しなければならなかった(勉強する必要があった)
否定文は「する必要はない、しなくてもいい」または「してはいけない」
否定文 no tener que + 不定詞は「する必要のない、しなくてもいい」といった意味で禁止とはちょっと違うニュアンスになります。
これも直訳で「するべきことを持っていない」⇒「する必要がない」と考えれば理解しやすいのかなと思います。
No tenemos que apurarnos.
私たちは急ぐ必要がない
Hoy no tienen que ir a la escuela.
今日、彼らは学校へ行く必要がない
No tenías que tomar un taxi.
君はタクシーに乗る必要がなかったのに
状況によっては「してはいけない」と禁止の意味になる場合があります。トーンの強さだったり、特に禁止の場合は「No」に強勢がおかれます。
動詞 tener の活用や基本的な意味についてはこちらを参考にしてください。
hay que + 不定詞の「~しなければならない」
hay que + 不定詞の「~しなければならない」は「一般的に、常識として(人々は)しなければいけない」といったニュアンスです。
「(人は)法律を守らなければならない」とか「(この国では一般的に)バスを止める時に手を上げなければならない」などなど。
そういった理由から hay que + 不定詞の文には主語が存在しません。
ちなみに hay は動詞 haber の直説法現在形3人称単数の活用になります。
Hay que cumplir las reglas.
(人は)ルールを守らなければならない
Al subir al colectivo, hay que pagar con monedas.
バスに乗るときに硬貨で支払わなければならない
否定文は「してはいけない」または「しなくてもいい」
否定文 no hay que + 不定詞は「してはいけない」または「しなくてもいい」といった意味になります。
No hay que pensar así.
そのように考える必要はない
No hay que perder la esperanza.
希望を失わなくていい
個人的なことにも hay que を使う人はいる
hay que + 不定詞の「しなければならない」は一般的な、人々が常識として行う義務や行動を表すと紹介しました、これは文法書などに書かれていたりグアテマラでスペイン語を習った時もそう教わりました。
でも
Ay, hay que comprar sal.
あっ、塩を買わなくちゃ(買いに行かなくちゃ)
なんて、個人的なことを言う人もいます。
動詞 haber の活用や基本的な意味についてはこちらを参考にしてください。
動詞 haber「~がある(いる)」の活用と意味【例文あり】