どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。日本語訳は直訳寄りです。文法や単語の意味を理解するため、自然な日本語とは異なる場合があります。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。
スペイン語の接続法現在形(subjuntivo presente)の「使い方」を例文付きで紹介しています。
願望・感情・命令や要請・否定的判断・不確定先行詞・ojalá・接続詞表現など、直説法との対比と注意点もまとめました。
接続法の基本形と時制の一致
主節 + que + 従属節(接続法) が基本形。
従属節が接続法現在形になるのは、主節が直説法現在・現在完了・未来・未来完了などのときです。主節が点過去・線過去など過去の時制では従属節は通常接続法過去になります。(時制の一致)
Dudamos que ellos lleguen a tiempo.
私たちは彼らが時間通りに来るか疑っている。
Deseo que ustedes aprendan español.
私は(あなたたちが)スペイン語を学ぶことを望む。
主節と従属節の主語が同じなら、動詞のあとは不定詞になります。
Yo deseo aprender español.
私は(私が)スペイン語を学ぶことを望む
主節の動詞による使い分け
願望
- desear(望む)
- querer(欲する/~したい)
- esperar(希望する)
- preferir(好む)
Deseo que él llegue hoy.
彼が今日着くことを望む
感情(再帰形は de que)
- alegrarse de que(うれしく思う)
- preocuparse de/por que(心配する)
- asustarse de que(おびえる)
- lamentar(残念に思う:非再帰・que)
- gustar(気に入る/好みだ:Me gusta que…)
Me alegro de que usted esté bien.
私はあなたが元気でうれしい。
Me preocupa que llueva hoy.
今日雨が降るか私は心配だ。
禁止・不許可
- prohibir(禁止する)
- no permitir(許可しない)
- no dejar(許可しない)
Mi padre no permite que yo salga de noche.
私の父は私が夜に外出することを許可しない。
El profesor no deja que los alumnos hablen en clase.
先生は授業中に生徒が話をすることを許可しない
命令・助言・要請
- pedir, rogar, suplicar(お願いする)
- recomendar, aconsejar, sugerir, proponer(勧める/助言)
- mandar, ordenar, exigir, insistir en, empeñarse en(命じる/強く求める)
Los padres exigen que los niños reciban buenas notas.
親たちは子どもたちが良い成績をとるよう強く求める
Le recomiendo que se quede en casa esta noche.
私は彼女に今夜は家にいる(=外出しない)よう勧める
疑い・否定(意見動詞の否定/疑問)
- dudar(疑う)
- no creer(思わない・信じない)
- no pensar(考えない・思わない)
No creo que ella coma todo.
彼女が全部食べるとは思わない。
creer / pensar が肯定なら直説法
Creo que él tiene dinero.
私は彼はお金を持っていると思う。
否定や強い疑問なら接続法
¿Piensas que él sea sincero?
君は彼が誠実だと思う?(話者は彼が誠実じゃない気がしている)
その他のトリガー
ojalá(願望)
Ojalá は「~でありますように」。語源は「Si Dios quiere」に相当するアラビア語系表現に由来します。通常は接続法を従えます(Ojalá (que) + subjuntivo)。
Ojalá (que) vuelva pronto.
彼が早く戻ってきますように。
Ojalá (que) mis familias sean felices.
私の家族たちが幸せでありますように。
非人称表現
- Es (importante / necesario / mejor / posible / probable) que + 接続法
Es importante que lo hagamos.
私達がそれをするのは重要です。
特定の主体を述べないなら不定詞を使います。
Es necesario comer.
食べることは必要です。
Es importante hacerlo.
それをすることは重要です。
否定の非人称(確実性の否定)
- No es (verdad / cierto / evidente) que + 接続法
No es verdad que lo sepa todo.
彼がすべてを知っているのは本当ではない。
肯定文(es verdad / cierto / evidente)は直説法です。
Es verdad que lo sabe todo.
彼が全てを知っているのは本当だ
「たぶん」を表す語
- quizá(s), tal vez, posiblemente, puede ser que (たぶん、おそらく)
主観的で不確実なら接続法、可能性が高いと話者が感じる場合は直説法が使われる場合もあります。
Tal vez él vaya a cenar con ellos.
たぶん、彼は彼らと一緒に夕食に行くだろう(行くのかな?)
Quizás trabajamos juntos la próxima semana. (確信度が高いと感じる場合は直説法)
たぶん、私達は来週一緒に働くだろう(働くね)
〜quiera(不定・譲歩)
- cualquiera que(どれでも、だれでも)
- quienquiera que(だれでも)
- comoquiera que(どうやって〜しても / 〜の仕方はどうであれ)
- dondequiera que (どこにでも)
Cualquiera que conozca México, entenderá este sentimiento.
メキシコを知る(行ったことがある)人なら、誰でもこの気持ちを理解するだろう。
Comoquiera que lo haga, será igual.
どうやってそれをやっても、結果は同じだろう
先行詞が不確定なとき
不確定・未特定の名詞句(un / una + 名詞)→ 接続法。特定済み(el / la + 名詞)→ 直説法。
Prefiero una revista que tenga buenas fotos.(未特定の revista)
私は良い写真が載っている雑誌の方が好き。
Prefiero la revista que tiene buenas fotos.(特定の revista)
私は良い写真が載っている、その雑誌が好き。
Por + 形容詞/副詞 + que + 接続法(譲歩)
「どんなに~しても」という意味です。
Por mucho que me lo pidas, no te daré nada.
どんなに私にお願いしたところで、私は君に何も与えません
Si + 直説法現在, 命令形(+間接命令で接続法)
Si 節が現在なら、主節は命令形がよく用いられます。さらに、その命令を第三者に伝えるときは decir + que + 接続法 という間接命令の形になります。
Si las frutas están caras, dígale a mi hijo que no las compre.
もし、くだものが高かったら、私の息子に「買わないで」と言ってください。
副詞の表現の組み合わせ(まだ起きてない事象)
- antes de que(する前に)
- hasta que(するまでに)
- tan pronto como(するとすぐに)
- para que(するために)
- a menos que(でない限り)
- con tal que(という条件で、しさえすれば)
- aunque(たとえ~でも)
- cuando(する時)
- a fin de que(するために)
- en caso de que(の場合には)
- sin que(せずに)
- de modo que(する様に)
- después de que(する後で)
- mientras (que)(している限り)
- a no ser que(でなければ)
- en cuanto(するとすぐ)
これらの副詞の表現のあとに続く内容が、未来やまだ起きてない事だったら接続法を使います。
Antes de que usted se vaya, permítame hacerle una pregunta.
あなたが去る前に、ひとつ質問をすることを許可してください。
Lo compraré a no ser que sea demasiado caro.
すごく高くなければ、それを買おうかな。
Llámeme por favor en cuanto llegue mi maleta.
私のスーツケースが届いたらすぐに、私に電話してください、お願いします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 直説法と接続法、どう切り替える?
事実・確実・観察=直説法
願望・感情・疑い・評価=接続法
さらに主節の時制に合わせて従属節の時制(現在/過去)を一致させます。
Q2. ojalá に que は要る?
どちらでも可。Ojalá (que) + 接続法。口語では que を省くことが多いです。
(付録)接続法現在の活用ミニ表
原形 | 人称 | -ar(hablar) | -er(comer) | -ir(vivir) |
---|---|---|---|---|
単数 | yo | hable | coma | viva |
tú | hables | comas | vivas | |
él/ella/usted | hable | coma | viva | |
複数 | nosotros/as | hablemos | comamos | vivamos |
vosotros/as | habléis | comáis | viváis | |
ellos/ustedes | hablen | coman | vivan |
基本は直説法一人称単数現在の語幹+接続法語尾(-ar 系は e、-er/-ir 系は a)。不規則語幹・綴り変化は各動詞のルールに従います。
まとめ
- 接続法現在形(subjuntivo presente)は、事実や確実性ではなく、願望・感情・依頼・禁止・疑い・評価・不確定など「話者の主観」を表すときに使う。
- 主節+que+従属節(接続法)が基本形。主語が同じ場合は不定詞を使う。
- 時制の一致:主節が現在・未来系なら従属節は接続法現在、主節が過去形なら接続法過去を使う。
- ojalá(~でありますように)、非人称表現、副詞節なども接続法現在を引き起こす代表的なトリガー。
- 学習者がよくするミス:主語が同じのに que を入れる、直説法と混同する、時制の一致を忘れる。意識して区別すると理解が深まる。
- 接続法現在は日常会話でも、命令・感情表現・推測などで頻出。書き言葉だけでなく会話にもよく出るので、例文を声に出して覚えると効果的。