【スペイン語】前置詞 a + 不定詞の主要用法まとめ|命令・時期・慣用表現まで完全解説

前置詞 a + 不定詞の主要な用法 スペイン語の文法
記事内に広告が含まれています。
どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

スペイン語の前置詞「a」と「不定詞(動詞の原形)」の組み合わせは、日常会話から書き言葉まで頻繁に登場します。しかし、文脈によって「命令」になったり「時期」を表したりと、その意味は大きく変化します。

本記事では、スペイン語学習者が必ず押さえておくべき「a + 不定詞」の主要な4つのパターンと、頻出の慣用表現を解説します。ラテンアメリカで実際に使われている自然な例文を通して、正確な用法を身につけましょう。

スポンサーリンク

1. 「~する時」を表す Al + 不定詞

「Al」は前置詞 a と定冠詞 el が融合した形です。「Al + 不定詞」で、ある動作が起こったタイミングや条件を表します。日本語の「~する時」「~した際」に相当し、接続詞(cuandoなど)を使わずに文を簡潔にできる便利な表現です。

基本的な使い方(主語が同じ場合)

メインの文(主節)と「al …」の動作主が同じ場合、最もシンプルに使えます。文頭に来ることもあれば、文中に置かれることもあります。

Al subir al autobús, hay que pagar el pasaje.
直訳:バスに乗る時、運賃を払わなければならない。
意訳:バスに乗車する際は、運賃を支払う必要があります。

Al salir de casa, empezó a llover.
直訳:家を出る時、雨が降り始めた。
意訳:家を出たとたん、雨が降り始めました。

注意点(主語が異なる場合)

「Al + 不定詞」の動作主がメインの文の主語と異なる場合は、不定詞の直後にその主語を明示する必要があります。これを省略すると、誰の動作か分からなくなります。

Al llegar mi padre, todos se levantaron.
直訳:私の父が到着した時、全員が立ち上がった。
意訳:父が到着すると、皆が立ち上がりました。

スポンサーリンク

2. 命令・号令を表す独立した a + 不定詞

前置詞 a の後に不定詞を続け、文として独立させると、勢いのある「命令」や「号令」になります。動詞の活用(命令形)を気にする必要がなく、短いフレーズで相手に行動を促す際によく使われます。

肯定の命令(さあ~しよう!)

親しい間柄での号令や、子供に対して「さあ、~しなさい」と促すニュアンスで使われます。

¡A comer!
直訳:食べることへ!
意訳:さあ、ご飯ですよ!/食べましょう!

¡A trabajar!
直訳:働くことへ!
意訳:さあ、仕事にかかりましょう!/仕事だ、仕事!

否定の命令(~禁止!)

「A no + 不定詞」の形で、強い禁止や注意喚起を表します。看板や掲示、あるいは口頭での強い警告として使われます。

¡A no gritar!
直訳:叫ばないことへ!
意訳:叫ばないで!/大声を出さない!

¡A no tocar!
直訳:触らないことへ!
意訳:触らないでください!

3. 【最重要】動詞とセットで使う a + 不定詞

スペイン語学習において最も重要なのが、特定の動詞と結びつく「a」です。これらの動詞は、後ろに別の動作(不定詞)を続ける際、必ず接着剤として「a」を必要とします。

未来・移動を表す動詞 (Ir / Venir)

特に「Ir a + 不定詞」は、ラテンアメリカの日常会話において未来形(~するでしょう)よりも頻繁に使われる「近接未来(~するつもりだ、これから~する)」の表現です。

Voy a visitar a mis abuelos en Guatemala.
直訳:私はグアテマラの祖父母を訪ねに行く。
意訳:グアテマラにいる祖父母を訪ねるつもりです。

¿Vas a venir a comer hoy?
直訳:君は今日、食べるために来るの?
意訳:今日、ご飯を食べに来る?

開始・再開を表す動詞 (Empezar / Volver)

何かが始まる、あるいは繰り返す動作を表す際も「a」が必須です。

Empezó a llover de repente.
直訳:突然、雨が降り始めた。
意訳:突然雨が降り出しました。

No vuelvas a decir eso.
直訳:それを言うために戻らないで。
意訳:二度とそんなことを言わないでください。

学習・指導を表す動詞 (Aprender / Enseñar)

「~することを学ぶ」「~することを教える」という文脈でも前置詞 a を伴います。

Quiero aprender a cocinar comida peruana.
直訳:私はペルー料理を料理することを学びたい。
意訳:ペルー料理の作り方を習いたいです。

4. 義務・受動を表す「名詞 + a + 不定詞」

名詞の直後に「a + 不定詞」を置くことで、「~すべき〇〇」「~されるための〇〇」という形容詞的な意味を持たせることができます。

ただし、これはやや硬い表現(書き言葉やビジネスシーン)であり、文法的にはフランス語の影響(ガリスム)と指摘されることもあります。日常会話では関係詞(que hay que…など)を使うほうが自然な場合もありますが、ニュースやビジネス文書ではよく目にする表現です。

Éste es el problema a resolver.
直訳:これは解決するための問題だ。
意訳:これが解決すべき課題です。

¿Cuál es el tema a tratar hoy?
直訳:今日扱うためのテーマはどれですか?
意訳:本日議論すべき議題は何でしょうか?

5. よく使う慣用表現 (A ver)

最後に、会話の潤滑油として欠かせない「A ver」を紹介します。これは「Vamos a ver(見てみよう)」が短縮されたもので、文脈によって多様な意味を持ちます。

A ver, ¿qué compraste?
直訳:見るために。何を買ったの?
意訳:どれどれ、何を買ったの?(見せてみて)

A ver si nos vemos pronto.
直訳:私たちがすぐに会えるかどうかを見るために。
意訳:近いうちに会えるといいね。

まとめ

スペイン語の「a + 不定詞」には、大きく分けて以下の役割があります。

  • Al + 不定詞:「~する時」(=When)
  • 文頭の A + 不定詞:「~しよう!」「~禁止!」(命令・号令)
  • 動詞 + a + 不定詞:「Ir a(~するつもり)」「Empezar a(~し始める)」など
  • 名詞 + a + 不定詞:「~すべき〇〇」(義務・受動)

特に「Ir a + 不定詞」などの動詞との組み合わせは、会話の基礎となる最重要項目です。それぞれのパターンを意識して使い分けることで、より正確で自然なスペイン語表現が可能になります。

タイトルとURLをコピーしました