スペイン語動詞 hacer の活用と意味を完全網羅!天候・時間・熟語まで徹底解説

hacerの活用と意味 動詞の活用と意味
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どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

スペイン語の動詞 hacer は、日常会話で最も頻繁に使われる動詞の一つです。

基本的な意味は「~する」「~を作る」ですが、それ以上に重要な役割を持っています。天候や時間の経過を表したり、特定の単語と結びついて重要な熟語を作ったりと、その用途は多岐にわたります。

本記事では、hacer の全活用パターンから、文法的に重要な用法、そしてネイティブスピーカーが頻繁に使う熟語表現までを網羅的に解説します。

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スペイン語の動詞 hacer の活用一覧

hacer は不規則活用をする動詞の代表格です。特に直説法現在形の1人称単数(yo)や、過去形、未来形など多くの時制で不規則に変化するため、注意が必要です。

ここでは、ラテンアメリカで広く使われる vos(Voseo)と、スペインで使われる vosotros の両方を含めた活用表を掲載します。

hacer の分詞(現在分詞・過去分詞)

過去分詞は不規則変化をします。完了形を作る際や形容詞として使う際に必須の形です。

種類活用
現在分詞haciendo
過去分詞hecho

hacer の直説法現在形の活用

1人称単数(yo)が hago となり、語根が変化します。2人称単数の tú と vos でアクセントの位置が異なる点にも注目してください。

主語活用
yohago
tú / voshaces / hacés
él / ella / ustedhace
nosotros / nosotrashacemos
vosotros / vosotrashacéis
ellos / ellas / ustedeshacen

hacer の直説法点過去形の活用

点過去は語根が hic- (3人称単数は hiz-)に変化する完全不規則活用です。

主語活用
yohice
hiciste
él / ella / ustedhizo
nosotros / nosotrashicimos
vosotros / vosotrashicisteis
ellos / ellas / ustedeshicieron

hacer の直説法線過去形の活用

線過去は規則活用です。過去の習慣や状況説明で使われます。

主語活用
yohacía
hacías
él / ella / ustedhacía
nosotros / nosotrashacíamos
vosotros / vosotrashacíais
ellos / ellas / ustedeshacían

hacer の直説法未来形の活用

未来形は語根が har- に変化します。

主語活用
yoharé
harás
él / ella / ustedhará
nosotros / nosotrasharemos
vosotros / vosotrasharéis
ellos / ellas / ustedesharán

hacer の可能法(過去未来)の活用

可能法も未来形と同様に語根が har- に変化します。

主語活用
yoharía
harías
él / ella / ustedharía
nosotros / nosotrasharíamos
vosotros / vosotrasharíais
ellos / ellas / ustedesharían

hacer の命令法の活用

肯定命令の tú は不規則で haz となります。否定命令では接続法現在形を使用します。

主語肯定命令否定命令
hazno hagas
voshacéno hagás
ustedhagano haga
nosotroshagamosno hagamos
vosotroshacedno hagáis
ustedeshaganno hagan

hacer の接続法現在形の活用

直説法現在1人称単数(hago)に基づき、語根は hag- となります。

主語活用
yohaga
tú / voshagas / hagás
él / ella / ustedhaga
nosotros / nosotrashagamos
vosotros / vosotrashagáis
ellos / ellas / ustedeshagan

hacer の接続法過去形(ra形)の活用

直説法点過去3人称複数(hicieron)に基づき、語根は hicier- となります。

主語活用
yohiciera
hicieras
él / ella / ustedhiciera
nosotros / nosotrashiciéramos
vosotros / vosotrashicierais
ellos / ellas / ustedeshicieran
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hacer の基本的な意味(作る・する)

hacer の最も基本的な機能は、何かを「作る」こと、または動作を「行う」ことです。目的語によって日本語訳が柔軟に変化します。

具体的なモノを「作る」

料理、作品、建物など、形あるものを生み出す場合に使います。

Hago un arroz chaufa.
直訳:私はチャーハンを作る。
意訳:チャーハンを作ります。

Mi abuela me hizo una bufanda.
直訳:祖母は私にマフラーを作った。
意訳:おばあちゃんがマフラーを編んでくれました。

Hacen una casa moderna.
直訳:彼らはモダンな家を作る。
意訳:モダンなデザインの家を建てています。

Hago un video para YouTube.
直訳:私はYouTubeのための動画を作る。
意訳:YouTube用の動画を作成(撮影・編集)します。

行為や動作を「する・行う」

仕事、勉強、スポーツ、パーティーなどの行為を行う場合に使います。

Tengo que hacer la tarea.
直訳:私は宿題をしなければならない。
意訳:宿題をやらなきゃいけません。

Mi padre hace un buen trabajo.
直訳:私の父は良い仕事をする。
意訳:父はいい仕事をします。

Vamos a hacer una fiesta mañana.
直訳:私たちは明日パーティーをするつもりだ。
意訳:明日パーティーを開きましょう。

掃除する、準備する

文脈により「整える」「準備する」という意味になります。

Voy a hacer la habitación.
直訳:私は部屋をするつもりだ。
意訳:部屋を掃除してきます。

No olvides hacer la cama.
直訳:ベッドをすることを忘れるな。
意訳:ベッドメイクを忘れないでね。

Ya hice la maleta.
直訳:もうスーツケースをした。
意訳:もう荷造りは済ませました。

文法的に重要な用法(天候・時間・使役)

hacer は単なる「する」という動詞を超え、文法的な機能を果たす場合が多くあります。

天気を表す(非人称の hacer)

天候について話す際、hacer は主語を持たない「非人称動詞」として使われます。必ず3人称単数形(hace / hizo / hacía 等)を用います。

Hoy hace buen tiempo.
直訳:今日、良い天気をなす。
意訳:今日はいい天気です。

Aquí hace mucho calor en verano.
直訳:夏、ここはたくさんの暑さをなす。
意訳:ここは夏、とても暑いです。

Ayer hizo mucho viento.
直訳:昨日、たくさんの風をなした。
意訳:昨日は風が強かった。

時間の経過を表す

「~前から」「~して…になる」という期間を表す際にも hacer を使います。これも主語を持たない表現です。

Vivo en Bogotá hace cinco años.
直訳:私はボゴタに住んでいる、5年を作る。
意訳:私は5年前からボゴタに住んでいます。

Hace mucho tiempo que no llueve.
直訳:雨が降らなくて長い時間を作る。
意訳:長い間、雨が降っていません。

Hace dos años que estudio español.
直訳:私がスペイン語を勉強して2年を作る。
意訳:スペイン語を勉強して2年になります。

使役表現「~させる」(hacer + 不定詞)

「誰かに~させる」という使役の意味を表します。
基本構造は hacer + (人) + 不定詞 です。「人」が代名詞になる場合、使役させる動詞が自動詞か他動詞かによって、直接目的格(lo/la/los/las)か間接目的格(le/les)かが変わる場合がありますが、口語では le を使う傾向も強く見られます。

El profesor me hizo leer el libro.
直訳:先生は私にその本を読むようにさせた。
意訳:先生は私にその本を読ませた。

Esa canción me hace llorar.
直訳:その歌は私を泣かせる。
意訳:その歌を聞くと泣けてきます。

Yo los hice callar.
直訳:私は彼らを黙らせた。
意訳:私は彼らを静かにさせた。

会話で役立つ hacer を使った熟語表現

hacer は特定の名詞と結びつき、独自の意味を持つ熟語(イディオム)を形成します。日常会話で頻出するものばかりです。

hacer falta(必要である・欠けている・寂しい)

何かが不足している、または必要であることを表します。人に対して使うと「会いたい(寂しい)」という意味になります。

Me hace falta dinero.
直訳:私にはお金が欠けている。
意訳:お金が必要です。

Me haces mucha falta.
直訳:君が私にはとても欠けている。
意訳:君がいなくてとても寂しい(君がどうしても必要だ)。

hacer caso(注意を払う・言うことを聞く)

アドバイスや忠告を聞く、相手にする、という意味で使われます。

Hazme caso.
直訳:私に注意を払え。
意訳:私の言うことを聞いて。

No le hagas caso a él.
直訳:彼に注意を払うな。
意訳:彼のことは放っておきなさい(気にしないで)。

hacer daño(痛む・害を与える)

物理的な痛みや、精神的なダメージを与える場合に使います。ラテンアメリカでは「お腹を壊す」といった文脈でもよく使われます。

Me hace daño el estómago.
直訳:胃が私に害を与える。
意訳:お腹が痛いです(または、食べたものが当たった)。

Fumar te hace daño.
直訳:喫煙は君に害を与える。
意訳:タバコは体に毒だよ。

hacer cola(列に並ぶ)

Tenemos que hacer cola para entrar.
直訳:入るために私たちは列を作らなければならない。
意訳:入るには並ばないといけません。

再帰動詞 hacerse の意味と使い方

hacer に再帰代名詞 se が付いた hacerse という形も非常に重要です。

変化を表す「~になる」

職業や宗教、社会的地位など、本人の努力や過程を経て「~になる」という場合によく使われます。

Ella se hizo abogada.
直訳:彼女は自分自身を弁護士にした。
意訳:彼女は(努力して)弁護士になった。

Se hizo muy famoso.
直訳:彼は自分自身をとても有名にした。
意訳:彼はとても有名になりました。

(+定冠詞+形容詞)ふりをする・装う

Se hizo el sordo.
直訳:彼は耳が聞こえない人のふりをした。
意訳:彼は聞こえないふりをしました。

No te hagas el tonto.
直訳:馬鹿のふりをするな。
意訳:とぼけるなよ。

(+a+人)~のように思える・感じられる

「se me hace…」の形で「私には~のような気がする」という感覚的な判断を表します。

Se me hace tarde.
直訳:私にとって遅くなる。
意訳:遅くなってしまった(急がなきゃ)。

Ese problema se me hizo fácil.
直訳:その問題は私にとって簡単になった。
意訳:その問題は私には簡単に思えました。

Se me hace que va a llover.
直訳:雨が降るというふうに私には構成される。
意訳:なんだか雨が降りそうな気がします。

まとめ

スペイン語の動詞 hacer は、不規則活用が多く覚えるのが大変ですが、その分使いこなせれば表現の幅が劇的に広がります。

  • 活用:現在、過去、未来、命令法などで不規則変化する重要動詞。
  • 基本:「作る」「する」が基本だが、文脈で「料理する」「掃除する」など柔軟に訳す。
  • 文法:「天候」「時間経過」「使役(~させる)」を作る機能を理解する。
  • 熟語:hacer falta(必要だ)、hacer caso(言うことを聞く)などは会話で頻出。

まずは活用を確実に覚え、日常会話でよく使う「天気」や「hace + 時間」の表現から慣れていくことをおすすめします。

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