スペイン語 ser と estar の違いは?本質を掴む使い分けと例文を解説

serとestarの違いは? スペイン語の文法
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どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

スペイン語を学び始めて最初に突き当たる壁の一つが、動詞 ser と estar の使い分けです。日本語ではどちらも「〜です」と訳されることが多いため混同しがちですが、この二つには明確な役割の違いがあります。

本記事では、ser と estar の根本的な違いから、ラテンアメリカの日常会話で頻出する具体的な使い分けまで、論理的に整理して解説します。誤字脱字や文法のミスを排除した、正確な知識を身につけましょう。

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一目でわかる ser と estar の比較表

まずは、両者の違いを視覚的に把握しましょう。この表をイメージとして持っておくだけで、使い分けの判断が格段に速くなります。

特徴ser(本質・定義)estar(状態・所在)
意味の核心「何であるか」「どういう様子か」
持続性永続的・不変的一時的・変化する
主な用途出身、国籍、職業、性格、素材場所、感情、体調、進行形
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動詞 ser を使うシーン:定義と不変の性質

動詞 ser は、その人や物の「中身」や「正体」を定義する際に使います。時間が経過しても簡単には変わらない属性が対象です。

1. 出身・国籍・職業

その人のルーツや社会的立場は、アイデンティティの一部とみなされます。

Somos japoneses.
直訳:私たちは日本人(という属性)です。
意訳:私たちは日本人です。

Soy de Japón.
直訳:私は日本からの出身です。
意訳:私は日本出身です。

Ellos son estudiantes.
直訳:彼らは学生(という身分)です。
意訳:彼らは学生です。

2. 性格・外見・素材

生まれ持った性格や、その物の素材などを表します。

José es simpático.
直訳:ホセは感じが良い性質です。
意訳:ホセは親切な人です。

La mesa es de madera.
直訳:その机は木という素材でできています。
意訳:その机は木製です。

3. 時間・日付

時間や日付は、その時点の「定義」として ser を使います。

Son las ocho y media.
直訳:それらは8時半です。
意訳:8時半です。

Hoy es tres de julio.
直訳:今日は7月3日です。
意訳:今日は7月3日です。

4. 出来事(イベント)の開催場所

「物がある場所」には estar を使いますが、「会議やパーティーが行われる場所」には ser を使うという重要なルールがあります。

La reunión es en el hotel.
直訳:その会議はホテルで行われるものです。
意訳:会議はホテルであります。

【コラム】写真を見て「これどこ?」と言う時は ser?

場所を尋ねる際は estar を使うのが基本ですが、写真を見ながら「これ(この場所)はどこ?」と尋ねる際は、¿Dónde es? と ser を使うのがネイティブの自然な感覚です。

  • ¿Dónde está? と聞くと、その場所への行き方や物理的な位置を聞いているニュアンスになります。
  • ¿Dónde es? と聞くと、その風景の「正体(名前や定義)」を尋ねていることになります。

¿Dónde es?
直訳:それはどこですか?
意訳:(写真などを見て)ここ、どこなの?

動詞 estar を使うシーン:所在と一時的な状況

動詞 estar は、その人や物が「今、どういう状態にあるか」を表現する際に使います。

1. 人・物の所在(位置)

物理的な場所を表す際は、永続的な建物であっても estar を使います。

Estamos en Madrid.
直訳:私たちはマドリードの中に位置しています。
意訳:私たちはマドリードにいます。

Madrid está en España.
直訳:マドリードはスペインの中にあります。
意訳:マドリードはスペインにあります。

2. 心身の状態・感情

一時的な感情や体調の様子を表します。

Yo estoy muy ocupado.
直訳:私はとても忙しい状態にあります。
意訳:私はとても忙しいです。

Miranda está cansada.
直訳:ミランダは疲れた状態にあります。
意訳:ミランダは疲れています。

Mi móvil está roto.
直訳:私の携帯電話は壊れた状態にあります。
意訳:私のスマホ、壊れています。

3. 味覚や外見の「今」の感想

特にラテンアメリカでは、食事の感想に estar を多用します。「(今食べてみて)美味しい状態だ」というライブ感を伝えるためです。

El café está caliente.
直訳:そのコーヒーは熱い状態です。
意訳:コーヒーが熱いです。

¡Qué rico está este ceviche!
直訳:このセビーチェはなんて美味しい状態なんだ!
意訳:このセビーチェ、すごく美味しい!

要注意!ser と estar で意味が変わる形容詞

同じ形容詞でも、どちらの動詞を使うかによって意味が激変します。ここを間違えると誤解を招くため、セットで覚えましょう。

1. listo(賢い vs 準備完了)

  • Es listo: 彼は(性格的に)賢い。
  • Está listo: 彼は(準備ができて)準備万端だ。

2. rico(富裕 vs 美味)

  • Es rico: 彼は(経済的に)金持ちだ。
  • Está rico: (この食べ物は)美味しい。

3. malo(邪悪 vs 不調)

  • Es malo: 彼は(本性が)悪いやつだ、または質が悪い。
  • Está malo: 彼は(体調が)悪い、または食べ物が腐っている。

4. verde(緑色 vs 未熟)

  • Es verde: それは(色が)緑色だ。
  • Está verde: それは(果物などが)まだ熟していない。

まとめ:迷った時の判別フロー

どちらを使うか迷ったら、心の中で次の質問を投げかけてください。

  1. 「それは何?(What is it?)」 → 正体や性質なら ser
  2. 「それは今どう?(How is it?)」 → 状態や様子なら estar
  3. 「どこにある?(Where is it?)」 → 所在なら estar(イベント開催は ser)

この論理を意識しながら多くの例文に触れることで、次第に考えなくても使い分けができるようになります。まずは自分の身の回りの状態を estar で、自分の属性を ser で表現する練習から始めてみましょう。

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