スペイン語の未来形(直説法)活用と使い方|「ir a + 不定詞」との使い分けまで解説

直説法未来形の活用と使い方 スペイン語の文法
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どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

スペイン語で未来の出来事や個人の意志を伝える際に欠かせないのが「直説法未来形」です。この時制は、単に将来のことを表すだけでなく、日常生活で頻出する「推量(〜だろうな)」というニュアンスを伝える重要な役割を持っています。

未来形は、現在形や点過去形に比べると活用のルールがシンプルです。この記事では、規則変化から不規則変化のパターン、そしてラテンアメリカで特に重要な「ir a + 不定詞」との使い分けについて論理的に解説します。

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1. スペイン語・未来形の活用(規則変化)

未来形の規則変化は、-ar動詞、-er動詞、-ir動詞のすべてにおいて「同じ活用語尾」を使用します。最大の特徴は、動詞の不定詞(原形)の末尾を削らず、そのまま後ろに語尾を付け足す点です。

人称活用語尾
yo
tú / (vos)-ás
él / ella / usted
nosotros / nosotras-emos
vosotros / vosotras-éis
ellos / ellas / ustedes-án

【ポイント】
ラテンアメリカの多くの地域で使用される「vos(ヴォセオ)」についても、未来形においては「tú」と全く同じ活用になります。

活用例:gastar(使う / ar動詞)

yogastaré
tú / (vos)gastarás
él / ella / ustedgastará
nosotros / nosotrasgastaremos
vosotros / vosotrasgastaréis
ellos / ellas / ustedesgastarán

活用例:conocer(知る / er動詞)

yoconoceré
tú / (vos)conocerás
él / ella / ustedconocerá
nosotros / nosotrasconoceremos
vosotros / vosotrasconoceréis
ellos / ellas / ustedesconocerán

活用例:vivir(住む・生きる / ir動詞)

yoviviré
tú / (vos)vivirás
él / ella / ustedvivirá
nosotros / nosotrasviviremos
vosotros / vosotrasviviréis
ellos / ellas / ustedesvivirán
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2. 未来形の不規則変化|3つのパターンで攻略

未来形の不規則変化は、語尾そのものではなく「語幹(ベースとなる部分)」が変化します。変化の仕方は以下の3つのパターンに分類されます。

パターン1:中間母音「e」が消えるタイプ

不定詞の語尾の前にある「e」が脱落します。代表例として poder(〜できる)の活用を見てみましょう。

poder の語幹変化:podr-
yopodré
tú / (vos)podrás
él / ella / ustedpodrá
nosotros / nosotraspodremos
vosotros / vosotraspodréis
ellos / ellas / ustedespodrán

※同様の変化:haber (habr-), querer (querr-), saber (sabr-), caber (cabr-)

パターン2:dが挿入されるタイプ

語末の母音が「d」に置き換わります。代表例として tener(持つ)の活用を確認します。

tener の語幹変化:tendr-
yotendré
tú / (vos)tendrás
él / ella / ustedtendrá
nosotros / nosotrastendremos
vosotros / vosotrastendréis
ellos / ellas / ustedestendrán

※同様の変化:poner (pondr-), salir (saldr-), venir (vendr-), valer (valdr-)

パターン3:独自の短縮型(decir / hacer)

最も不規則な変化をする2つの重要動詞です。

人称decir (dir-)hacer (har-)
yodiréharé
tú / (vos)dirásharás
él / ella / usteddiráhará
nosotros / nosotrasdiremosharemos
vosotros / vosotrasdiréisharéis
ellos / ellas / ustedesdiránharán

3. 未来形の主な2つの使い方

① 未来の予測・意志

話者の個人的な決意や、将来起こる事柄を予測する際に使います。

Estudiaré español en Guatemala el año que viene.
直訳:私は来年、グアテマラでスペイン語を勉強する予定です。
意訳:来年、グアテマラへスペイン語留学に行くつもりです。

Algún día viajaré por toda Latinoamérica.
直訳:いつか私はラテンアメリカ全土を旅するだろう。
意訳:いつかラテンアメリカを一周するつもりです。

El paquete llegará el próximo lunes.
直訳:その荷物は次の月曜日に届くだろう。
意訳:荷物は来週の月曜日に届くはずです。

② 現在の事柄への推量

未来のことではなく、今この瞬間のことについて「〜だろう」「〜かな」と推測する際に使われます。

¿Qué hora será?
直訳:何時であるだろうか?
意訳:いま、何時くらいだろう?

¿Dónde estarán mis llaves?
直訳:私の鍵はどこにあるだろうか?
意訳:鍵は一体どこにあるんだろう?

Ella tendrá unos veinte años.
直訳:彼女は約20年を持っているだろう(=20歳だろう)。
意訳:彼女は20歳くらいでしょう。

4. 【重要】「未来形」と「ir a + 不定詞」はどう違う?

未来を表す表現の使い分けには、以下の論理的な基準が存在します。

表現主なニュアンス確信度
現在形確定した予定、確実な事実100%
ir a + 不定詞意志、既に決めている計画高い
未来形予測、不確かな未来、現在の推量中〜低

ラテンアメリカの日常会話では、自分自身の予定については ir a + 不定詞 が圧倒的に使われます。一方で未来形は、「〜だろうな」という客観的な予測や、現在の状況に対する推測のニュアンスで頻出します。

5. まとめ

  • 規則活用: 不定詞の語末を変えずにそのまま共通の語尾(-é, -ás…)を付ける。
  • 不規則変化: 3つの語幹変化パターン(e脱落、d挿入、独自短縮)を効率よく覚える。
  • 使い分け: 主観的な意志や近い予定は ir a、客観的な予測や現在の推測は未来形。
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