【スペイン語】中性定冠詞 lo の正しい使い方|el との違いや頻出熟語も徹底解説

中性定冠詞loの使い方 スペイン語の文法
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どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

スペイン語の定冠詞には、男性形の「el」、女性形の「la」のほかに、中性の「lo」が存在します。

一般的にスペイン語の名詞には男性名詞と女性名詞しかなく、「中性名詞」というものは存在しません。では、なぜ中性定冠詞が必要なのでしょうか?

それは、「具体的な形を持たない概念」や「抽象的な事柄」を表すためです。

中性定冠詞「lo」を使いこなせるようになると、単に物の名前を言うだけでなく、「美しいもの」や「昨日起こったこと」といった抽象的な話題について話せるようになり、表現の幅が劇的に広がります。

この記事では、スペイン語学習者がつまずきやすい「lo」の概念から、日常会話ですぐに使える頻出パターンまでを体系的に解説します。

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そもそも「中性定冠詞 lo」とは?

まず、「lo」の役割を明確にしましょう。「lo」の主な働きは、形容詞や副詞、または文章全体を「名詞化(~ということ/~なもの)」することです。

通常の定冠詞「el/la」との最大の違いは、後ろに来る言葉が「具体的な対象(人・物)」か「抽象的な性質・概念」かという点にあります。

「el」と「lo」の決定的な違い

以下の例で比較してみましょう。

  • El barato(その安い物/人)
    特定の「安い商品」や「安い人(ケチな人)」など、数えられる具体的な対象を指します。
  • Lo barato(安さ/安いということ)
    「安さ」という性質そのものや、一般的な「安いもの全般」という抽象的な概念を指します。

ことわざでもこの違いがよく現れます。

Lo barato sale caro.
直訳:安いことは高くつく。
意訳:安物買いの銭失い。

このように、「特定の何か」ではなく「概念としての安さ」について述べる場合に「lo」が使用されます。また、中性であるため複数形は存在しません。

※注意:直接目的語の「彼を/それを(lo)」とは別物ですので、混同しないように整理しておきましょう。

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パターン1:形容詞・過去分詞を名詞化する「~なこと」

最も基本的で頻繁に使われるのが、形容詞や過去分詞の前に「lo」を置き、「~なこと」「~な部分」という意味にする用法です。

lo + 形容詞

形容詞を名詞のように扱い、その性質自体を話題にします。

lo bueno(良いこと/良い点)

Lamentablemente, lo bueno cuesta dinero.
直訳:残念ながら、良いことは金がかかる。
意訳:残念なことに、良いものは高くつく。

lo malo(悪いこと/悪い点)

Prefieres creer lo malo antes que lo bueno.
直訳:君は良いことより先に悪いことを信じることを好む。
意訳:君は良いことよりも、悪いことの方を信じたがるよね。

lo importante(重要なこと)

Ese señor ha dicho ya todo lo importante.
直訳:その紳士はすでに重要なことすべてを言った。
意訳:その男性は、重要な点はすでにすべて話しました。

lo + 過去分詞

「言われたこと」「行われたこと」など、完了した行為を名詞化する場合に使います。

lo dicho(言ったこと/言われたこと)

Esto no tiene nada que ver con lo dicho anteriormente.
直訳:これは以前に言われたこととは何の関係も持たない。
意訳:これは前述の内容とは全く関係ありません。

lo hecho(したこと/行われたこと)

Lo hecho, hecho está.
直訳:されたことは、されたことだ。
意訳:済んでしまったことは仕方がない(覆水盆に返らず)。

※コロンビア出身の歌手Shakiraの曲に『Lo hecho está hecho』というタイトルのものがありますが、これも同じ意味です。

lo + 所有形容詞(強勢形)

「私のもの」や「私の得意分野/本分」といった意味合いで使われます。

lo mío(私のこと/私のもの)

Lo tuyo es mío, lo mío es mío.
直訳:君のものは私のもの、私のものは私のもの。
意訳:お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの。

パターン2:関係詞・前置詞と使う「~のもの・こと」

単語だけでなく、文章全体や特定の文脈を名詞の塊として扱う用法です。会話での登場頻度が非常に高いパターンです。

lo + que + 文

「lo que」の後ろに来る文章全体をパッケージ化して、「~する(した)こと」という一つの大きな名詞として扱います。

日本語で言うところの、「彼が言ったは~」「私が欲しいものは~」の太字部分の働きをします。

No entiendo lo que me has dicho.
直訳:私は君が私に言ったことを理解しない。
意訳:君が言ったことの意味がわからないよ。

Lo que necesitamos ahora es acción.
直訳:私たちが今必要としているものは行動だ。
意訳:今必要なのは、口先だけでなく行動です。

lo + de + 名詞/副詞

文脈に依存する表現で、「~に関する事柄」「~の件」という意味になります。会話の中で、具体的な名称を繰り返さずに「あの件」「いつものあれ」と指す場合に便利です。

lo de ayer(昨日の件/昨日のこと)

Ella se peleó con su madre por lo de ayer.
直訳:彼女は昨日のことについて母親とケンカした。
意訳:彼女は昨日の件が原因で、母親とケンカしました。

lo de siempre(いつものこと/いつものもの)
※レストランで「いつものやつをお願い」と注文する際や、変わらない日常を指す際によく使われます。

¿Qué vas a pedir? ― Lo de siempre.
直訳:何を注文するつもり? ― いつものもの。
意訳:何にする? ― いつものやつで。

パターン3:程度を強調する「いかに~か」

「lo」の少し特殊かつ重要な用法として、形容詞や副詞の程度を強調する感嘆文的な使い方があります。

lo + 形容詞 / 副詞 + que + 文

単に「~なこと」と訳すのではなく、「どれほど~か」「いかに~か」という驚きや強調のニュアンスが含まれます。

lo difícil que…(いかに難しいか)

No sabes lo difícil que es esta situación.
直訳:君はこの状況がいかに難しいかを知らない。
意訳:この状況がどれほど大変か、君は分かっていない。

lo grande que…(いかに大きいか)

¡Mira lo grande que está tu hijo!
直訳:君の息子がいかに大きいか見ろ!
意訳:息子さん、ずいぶん大きくなったねえ!(成長への驚き)

lo + más + 形容詞 + posible

「可能な限り~に」という熟語的な表現です。

Esperamos que la decisión se adopte lo más rápidamente posible.
直訳:私たちはその決定ができるだけ素早く採択されることを望む。
意訳:その決定ができるだけ早く下されることを願っています。

【保存版】会話で使える lo を含んだ慣用表現(イディオム)

最後に、文法を深く考えずに「決まり文句」として覚えておくべき、ラテンアメリカやスペインで頻出の表現を紹介します。

  • A lo mejor(たぶん、もしかしたら)
    文法的には直説法を使います。会話では QuizásTal vez と同様によく使われます。
    例:A lo mejor no viene hoy.(彼は今日来ないかもしれない。)
  • Por lo menos(少なくとも、せめて)
    数量や程度の下限を表します。
    例:Necesitamos por lo menos tres días.(少なくとも3日は必要です。)
  • A lo largo de(~の期間を通じて、~に沿って)
    期間や空間的な長さを表します。
    例:A lo largo de la historia…(歴史を通じて…)
  • A lo lejos(遠くに)
    例:Se ve una montaña a lo lejos.(遠くに山が見える。)

まとめ

中性定冠詞「lo」は、具体的な「モノ」から離れて、抽象的な「コト」や「状況」を語るために不可欠なツールです。

  • lo + 形容詞: 性質を名詞化する(lo bueno = 良いこと)
  • lo + que + 文: 文の内容を名詞化する(lo que dices = 君が言うこと)
  • lo + de + 名詞: 文脈上の事柄を指す(lo de ayer = 昨日の件)

これらのパターンを意識して、日々の学習や会話の中に取り入れてみてください。「lo」を自然に使えるようになると、スペイン語での表現力が一段階上のレベルへと進むはずです。

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