スペイン語圏への旅行において、レストランでの食事は旅の大きな楽しみの一つです。しかし、注文や会計の際に言葉が通じるか不安を感じ、ついファストフードで済ませてしまうという方も少なくありません。
本記事では、レストランの予約から入店、料理の注文、トラブル対応、そして会計まで、一連の流れに沿って実際に使えるスペイン語フレーズを網羅しました。特に、スペインとラテンアメリカでの表現の違いや、マナーとしてのチップについても解説します。
すべてのフレーズを丸暗記する必要はありません。まずは「これだけあれば通じる」という基本表現を押さえ、現地の食事を楽しんでください。
入店から着席まで(予約・人数)
人気のレストランでは予約が必須な場合もありますし、飛び込みで入る場合でも、最初に人数を伝える必要があります。スムーズに席に着くためのフレーズです。
電話やネットで予約をする時のフレーズ
「~したい」という希望を伝える際、一般的に知られる Quiero… よりも、Me gustaría… や Quisiera… を使う方が丁寧で、店員に対して好印象を与えます。
Me gustaría hacer una reserva.
直訳:私は予約を作ることを好むのですが
意訳:予約をしたいのですが
複数人で予約する場合、「私たち」を主語にして Nos gustaría… と言います。また、同様に丁寧な表現として以下もよく使われます。
Quisiera hacer una reserva para esta noche.
直訳:今夜のために予約を欲するのですが
意訳:今夜の予約をお願いしたいのですが
予約時には名前を伝えます。
Tengo una reserva a nombre de Tanaka.
直訳:タナカの名前で予約を持っています
意訳:タナカの名前で予約しています
予約なしで入店する・人数を伝える
予約をしていない場合は、入店時に人数を伝えます。挨拶(Hola, Buenas tardesなど)の後に続けましょう。
Una mesa para dos, por favor.
直訳:2人のためのテーブルをひとつお願いします
意訳:2人です(2人席をお願いします)
人数を変える場合は、para tres(3人)、para cuatro(4人)と数字を入れ替えます。
自由に席を選びたい場合は、以下のように尋ねます。
¿Podemos sentarnos donde queramos?
直訳:私たちが望む場所に座ることはできますか?
意訳:好きな席に座ってもいいですか?
¿Puedo tomar cualquier mesa?
直訳:どのテーブルも取ることができますか?
意訳:どの席でもいいですか?
料理の注文(メニュー確認・オーダー)
席に着いたらメニューを確認し、注文を行います。ここではスペイン語圏特有の事情も交えて解説します。
メニューをもらう・おすすめを聞く
注意点として、スペインや一部のラテンアメリカ諸国(コロンビアやメキシコなど)では、Menú(メニュー)と言うと「日替わり定食(Menú del día)」を指すことがあります。料理の一覧表を指す場合は La carta(ラ・カルタ) と言う方が正確な場合がありますが、観光地では Menú で一覧表を持ってきてくれることも多いです。
¿Podría ver la carta, por favor?
直訳:メニュー表を見ることはできますか?
意訳:メニューを見せてもらえますか?
何を頼めばよいか迷ったときは、店員のおすすめを聞くのが確実です。
¿Qué me recomienda?
直訳:私に何を勧めますか?
意訳:おすすめは何ですか?
¿Cuál es el plato especial de la casa?
直訳:この家の特別な料理はどれですか?
意訳:この店のおすすめ(スペシャリティ)はどれですか?
地元の名物料理などを指名して注文したい場合は以下のように尋ねます。
Quiero probar un pozole. ¿Lo tienen?
直訳:私はポソレを試したい。それを持っていますか?
意訳:ポソレを食べてみたいのですが、ありますか?
店員を呼ぶ(スペインと中南米の違い)
注文が決まり、店員を呼ぶ際の言葉は地域によって異なります。
- スペイン: ¡Perdone!(すみません)、¡Oiga!(あのう)、¡Camarero!(ウェイターさん ※少しぞんざいに聞こえる場合もあるので注意)
- ラテンアメリカ(メキシコ、グアテマラなど): ¡Joven!(お兄さん/店員さん)、¡Señorita!(お姉さん/店員さん)
共通して使える丁寧な呼びかけは、手を挙げてアイコンタクトを取りながら以下のフレーズを使うことです。
Disculpe, ¿nos puede atender?
直訳:すみません、私たちの対応をしてくれますか?
意訳:すみません、注文をお願いします
【会話例】店員とのやりとり(飲み物・料理)
店員がテーブルに来てからの典型的な会話の流れです。
店員:¿Qué van a tomar?
直訳:何を摂取するつもりですか?
意訳:お飲み物は何になさいますか?
客:Para mí, una cerveza, por favor.
直訳:私のためには、ビールをひとつお願いします
意訳:私はビールをお願いします
店員:¿Y para comer?
直訳:そして食事のためには?
意訳:お食事は何になさいますか?
客:De primero, una ensalada, y de segundo, la carne asada.
直訳:1皿目はサラダ、2皿目は焼き肉で
意訳:前菜にサラダ、メインに焼肉をお願いします
一通り注文を聞くと、店員はさらに確認します。これはレストランだけでなく、カフェやファストフード店でも必ず聞かれる定番フレーズです。
店員:¿Algo más?
直訳:何か他のもの?
意訳:他にご注文はありますか?
これに対して「以上です」と答えて会話を締めくくります。
客:Nada más, gracias.
直訳:これ以上なにもない、ありがとう
意訳:以上でお願いします
水の注文には注意(ガス入り・なし・常温)
ラテンアメリカやスペインでは、日本のように無料の水(お冷)が出てこないことが一般的です。また、水道水(Agua del grifo)は飲用に適さない地域が多いため、ミネラルウォーターを注文します。
その際、必ず「炭酸ガス入り(con gas)」か「ガスなし(sin gas)」かを聞かれます。
Una botella de agua sin gas, por favor.
直訳:ガスのない水のボトルを1本お願いします
意訳:ガスなしのミネラルウォーターをください
Agua con gas, por favor.
直訳:ガスのある水をお願いします
意訳:炭酸水をお願いします
冷たすぎる水を避けたい場合は、「常温で」と付け加えます。
Del tiempo, por favor.
直訳:その時の(温度の)ものでお願いします
意訳:常温でお願いします
食事中のリクエストとトラブル対応
海外のレストランでは、注文した料理が来ない、違うものが届くといったトラブルも起こりえます。泣き寝入りせず、はっきりと伝えるためのフレーズです。
カトラリーの追加・トイレの場所
フォークやスプーンを落としてしまった場合や、取り皿が欲しい場合です。
¿Me podría traer una cuchara, por favor?
直訳:私にスプーンを持ってくることはできますか?
意訳:スプーンを持ってきてもらえますか?
Cuchara(スプーン)の部分を Tenedor(フォーク)、Servilleta(ナプキン)に入れ替えて使えます。
トイレの場所を尋ねる基本フレーズです。
¿Dónde está el baño?
直訳:トイレはどこにありますか?
意訳:トイレはどこですか?
料理が来ない・注文間違いの指摘
料理が長時間来ない場合は、オーダーが通っているか確認しましょう。
Disculpe, todavía no ha llegado mi plato.
直訳:すみません、まだ私の皿が到着していません
意訳:すみません、料理がまだ来ないのですが
明らかに注文と違うものが届いた場合は、手を付けずにすぐに伝えます。
Esto no es lo que he pedido.
直訳:これは私が頼んだものではありません
意訳:頼んだものと違います
お会計とチップ(Propina)
食事が終わったら会計です。ラテンアメリカではテーブル会計(席で支払う)が一般的ですが、カジュアルな店ではレジへ行くこともあります。
お会計をお願いする・カード払い
店員と目を合わせ、空中でサインをする仕草(ペンで書く真似)をすれば伝わりますが、言葉を添えるとより丁寧です。
La cuenta, por favor.
直訳:勘定をお願いします
意訳:お会計をお願いします
クレジットカードを使いたい場合の確認です。
¿Aceptan tarjeta de crédito?
直訳:クレジットカードを受け入れますか?
意訳:カードは使えますか?
これらを活用して、現地の美味しい料理と雰囲気を存分に楽しんでください。
色々な場面での「いくらですか?」、タクシーでの値段交渉の基本フレーズやラテンアメリカ各国の通貨単位も紹介している記事もあるので参考にしてください。
割り勘と別会計の頼み方
別々に支払いたい場合は、会計をお願いするタイミングで伝えます。
¿Podemos pagar por separado?
直訳:私たちは別々に支払うことができますか?
意訳:別々に払えますか?
逆に、一人がまとめて支払う場合はこう言います。
Pago yo todo.
直訳:私がすべて払います
意訳:まとめて払います
ラテンアメリカのチップ事情と書き方
日本と大きく異なるのがチップ(Propina)の習慣です。スペインでは端数を残す程度で済むこともありますが、メキシコや多くのラテンアメリカ諸国では、アメリカ文化の影響もあり、お会計の10%〜15%をチップとして渡すのが一般的です。
伝票に Servicio incluido(サービス料込み)と書かれていればチップは不要ですが、書かれていない場合はチップを含めた額を支払うか、テーブルに現金を残します。
カード支払いの場合、決済端末でチップの有無や%を選択するか、店員にこう聞かれることがあります。
¿Desea agregar el servicio?
直訳:サービス(料)を追加することを望みますか?
意訳:チップを含めますか?
その場合は Sí, el diez por ciento, por favor.(はい、10パーセントお願いします)と答えます。
まとめ:最低限これだけ覚えればOK
多くのフレーズを紹介しましたが、レストランで最も重要なのは「意思を伝えること」です。文法が完璧でなくても、単語とジェスチャー、そして笑顔があればコミュニケーションは成立します。
最後に、これだけは覚えておきたい最重要フレーズを3つ挙げます。
- Una mesa para dos.(2人です)
- La cuenta, por favor.(お会計お願いします)
- El baño, por favor.(トイレをお借りします)


