スペイン語で「AはBと同じくらい~だ」と表現したいとき、tan … como や tanto … como を使いますが、この2つの使い分けで混乱していませんか?
「私は彼と同じくらい食べる」
「彼女は姉と同じくらい背が高い」
これらは日常会話で頻出の表現です。この記事では、ラテンアメリカで使われている自然な例文を交えながら、同等比較の文法ルールを初心者の方にも分かりやすく解説します。
スペイン語の同等比較 tan と tanto の決定的な違い
「AはBと同じくらい~だ」と言う場合、比較する対象が「名詞」なのか「形容詞・副詞」なのかによって、形が以下のように変わります。
- tanto + 名詞 + como(数や量を比べる)
- tan + 形容詞・副詞 + como(性質や状態を比べる)
- 動詞 + tanto como(動作の度合いを比べる)
それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
1. tanto + 名詞 + como(~と同じくらいの[数・量])
比較したい言葉が「名詞(人・モノ・事柄)」の場合は tanto … como を使います。
この時の tanto は「形容詞」の働きをするため、後ろにくる名詞の性・数に合わせて変化します。
- tanto + 男性単数名詞 + como
- tanta + 女性単数名詞 + como
- tantos + 男性複数名詞 + como
- tantas + 女性複数名詞 + como
例文で確認しましょう
Yo tengo tanto dinero como tú.
直訳:私は君と同じくらいたくさんのお金を持っている。
意訳:私は君と同じくらいお金を持っています。
※ dinero(お金)は男性単数名詞なので tanto になります。
Él tiene tanta hambre como yo.
直訳:彼は私と同じくらいたくさんの空腹を持っている。
意訳:彼は私と同じくらいお腹が減っています。
※ 注意点: hambre(空腹)は女性名詞です(発音の都合で定冠詞 el が付きますが性は女性)。そのため、tanto ではなく tanta になります。
Tú tienes tantos libros como mi tío.
直訳:君は私の叔父と同じくらいたくさんの本を持っている。
意訳:君は私の叔父と同じくらい本を持っていますね。
Tengo tantos problemas como todos.
直訳:私は皆と同じくらいたくさんの問題を持っている。
意訳:私だって皆と同じように悩みを抱えています。
文脈で量を表す場合
como の後ろに「文(S+V)」が続くこともあります。
Me ha dado tanto dinero como le pedí.
直訳:私が彼に頼んだのと同じだけのお金を、彼は私に与えた。
意訳:彼は私が頼んだ通りの額のお金をくれました。
Lo seguiremos diciendo tantas veces como sea posible.
直訳:可能であるのと同じくらいたくさんの回数、私たちはそれを言い続けるだろう。
意訳:可能な限り何度でも、私たちはそれを言い続けるつもりです。
2. tan + 形容詞・副詞 + como(~と同じくらい[形容詞・副詞])
「かわいい」「早い」などの形容詞や副詞を比較する場合は、短縮形の tan を使います。
この時の tan は「副詞」なので、性や数によって変化しません。常に tan のままです。
形容詞を使った tan … como
主語の性質を比較するパターンです。
Marco es tan guapo como Miguel.
直訳:マルコはミゲルと同じくらいハンサムだ。
意訳:マルコはミゲルと同じくらいかっこいい。
Alejandra es tan bonita como Tania.
直訳:アレハンドラはタニアと同じくらいかわいい。
意訳:アレハンドラはタニアと同じくらいかわいいですね。
※ tan 自体は変化しませんが、形容詞(guapo, bonita)は主語の性別に合わせる必要があります。
Son frases tan lindas como decir “te amo”.
直訳:「愛している」と言うのと同じくらい美しいフレーズたちだ。
意訳:それは「愛している」と言うのと同じくらい素敵な言葉です。
副詞を使った tan … como
動作の状態(早く、上手に、など)を比較するパターンです。
María se levantaba tan temprano como su madre.
直訳:マリアは彼女の母親と同じくらい早く起きていた。
意訳:マリアは母親と同じくらい早起きでした。
Miranda canta tan bien como Ricardo.
直訳:ミランダはリカルドと同じくらい良く歌う。
意訳:ミランダはリカルドと同じくらい歌が上手です。
3. 動詞 + tanto como(~と同じくらい[動作]する)
「よく食べる」「よく勉強する」のように、動詞そのものの程度を比較する場合は tanto como をセットで使います。
この場合、間に名詞や形容詞は挟みません。
ここでの tanto は副詞として機能するため、性・数にかかわらず常に tanto の形になります。
Laura estudia tanto como Sonia.
直訳:ラウラはソニアと同じくらいたくさん勉強する。
意訳:ラウラはソニアと同じくらい勉強熱心です。
Tengo que practicar tanto como él.
直訳:私は彼と同じくらいたくさん練習しなければならない。
意訳:彼と同じくらい練習しないといけません。
Esa muchacha come tanto como un hombre.
直訳:その少女は男性と同じくらいたくさん食べる。
意訳:あの子は大人顔負けの食欲です。
Coman tanto como quieran.
直訳:君たちが欲するのと同じだけ食べてください。
意訳:お好きなだけ召し上がってください。
Te quiero tanto como a Patricia.
直訳:私はパトリシアを愛するのと同じくらい、君を愛している。
意訳:パトリシアと同じくらい、君のことを大切に思っています。
【重要】否定文の意味は「AはBほど~ではない」
同等比較の否定文(no … tan / tanto … como)は、「同じではない(≠)」という意味よりも、「AはBほど~ではない(<)」という劣等比較のニュアンスになります。
Yo no tengo tanto dinero como tú.
直訳:私は君と同じだけのお金を持っていない。
意訳:私は君ほどお金持ちではありません。
Alejandra no es tan bonita como Tania.
直訳:アレハンドラはタニアと同じくらいかわいくはない。
意訳:アレハンドラはタニアほどかわいくありません。
Miranda no canta tan bien como Ricardo.
直訳:ミランダはリカルドと同じくらい上手に歌わない。
意訳:ミランダはリカルドほど歌が上手くありません。
Laura no estudia tanto como Sonia.
直訳:ラウラはソニアと同じくらいは勉強しない。
意訳:ラウラはソニアほど勉強しません。
まとめ
スペイン語の同等比較の使い分けは以下の通りです。
- 名詞にかかる場合:tanto (tanta/tantos/tantas) … como
- 形容詞・副詞にかかる場合:tan … como
- 動詞にかかる場合:tanto como
まずはこの基本ルールを覚えて、実際の会話で「AはBと同じくらい~だ」と表現してみてください。ラテンアメリカでもスペインでも、このルールは共通です。
同等比較をマスターしたら、次は「もっと~だ(優等比較)」「~ほどではない(劣等比較)」もセットで覚えましょう。


