スペイン語の接続法過去形(subjuntivo imperfecto)の活用と使い方【例文付き】

スペイン語の接続法過去形の活用と使い方 スペイン語の文法

どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。日本語訳は直訳寄りです。文法や単語の意味を理解するため、自然な日本語とは異なる場合があります。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。

この記事では接続法過去形(subjuntivo imperfecto)の活用ルールと使い方をまとめます。

接続法過去形の活用ルールはひとつで、すべての動詞に共通します。使い方は「主節の時制の一致」など接続法現在形の理解と結びついているため、まず接続法現在形を学習してから取り組むのがおすすめです。

接続法現在形についてはこちらを参考にしてください。
参考 スペイン語の接続法現在形(subjuntivo presente)の使い方【例文・一覧】

スペイン語の接続法過去形の活用ルール

接続法過去形は直説法点過去形の3人称複数(ellos, ellas, ustedes)の形から作ります。語尾 -ron を取り除き、以下の語尾を加えます。

接続法過去形には ra形se形 の2種類があり、どちらを使っても意味は変わりません。ただし、会話では ra形が圧倒的に一般的 です。

ra形se形
yo-ra-se
tú, vos-ras-ses
él, ella, usted-ra-se
nosotros-ramos-semos
vosotros-rais-seis
ellos, ellas, ustedes-ran-sen

接続法過去形の動詞の活用例

動詞 llegar(着く)、直説法点過去3人称複数:llegaron → 語尾 -ron を除去

ra形se形
llegarallegase
llegarasllegases
llegarallegase
llegáramosllegásemos
llegaraisllegaseis
llegaranllegasen

動詞 vender(売る)、直説法点過去3人称複数:vendieron → 語尾 -ron を除去

ra 形se 形
vendieravendiese
vendierasvendieses
vendieravendiese
vendiéramosvendiésemos
vendieraisvendieseis
vendieranvendiesen

動詞 vivir(住む)、直説法点過去3人称複数:vivieron → 語尾 -ron を除去

ra 形se 形
vivieraviviese
vivierasvivieses
vivieraviviese
viviéramosviviésemos
vivieraisvivieseis
vivieranviviesen

代表的な不規則動詞の接続法過去形(ra形)

接続法過去形は「直説法点過去の3人称複数形」から作ります。以下は不規則動詞の例です。

不定形直説法点過去(3人称複数)接続法過去形(ra形)
tener(持つ)tuvierontuviera, tuvieras, tuviera, tuviéramos, tuvierais, tuvieran
estar(いる)estuvieronestuviera, estuvieras, estuviera, estuviéramos, estuvierais, estuvieran
ser / ir(です/行く)fueronfuera, fueras, fuera, fuéramos, fuerais, fueran
poder(できる)pudieronpudiera, pudieras, pudiera, pudiéramos, pudierais, pudieran
poner(置く)pusieronpusiera, pusieras, pusiera, pusiéramos, pusierais, pusieran
saber(知る)supieronsupiera, supieras, supiera, supiéramos, supierais, supieran
hacer(する、作る)hicieronhiciera, hicieras, hiciera, hiciéramos, hicierais, hicieran
querer(欲する)quisieronquisiera, quisieras, quisiera, quisiéramos, quisierais, quisieran
venir(来る)vinieronviniera, vinieras, viniera, viniéramos, vinierais, vinieran
decir(言う)dijerondijera, dijeras, dijera, dijéramos, dijerais, dijeran
traer(持ってくる)trajerontrajera, trajeras, trajera, trajéramos, trajerais, trajeran
dar(与える)dierondiera, dieras, diera, diéramos, dierais, dieran
ver(見る)vieronviera, vieras, viera, viéramos, vierais, vieran

これらの動詞は頻出であり、接続法過去形を使った表現でもよく登場します。特に ser/ir, tener, poder, decir, querer は日常会話・試験ともに重要です。

スペイン語の接続法過去形の使い方

時制の一致(主節が過去のとき)

主節が直説法過去・線過去などの場合、従属節は自動的に接続法過去になります。

Espero que ellos viajen sin problema.
私は彼らが無事に旅することを願う

Esperé que ellos viajaran sin problema.
私は彼らが無事に旅することを願った

主節が可能法(過去未来)の場合(願望や可能性の度合い)

主節が可能法(過去未来)の文では、話者が感じている可能性の度合いで従属節が接続法現在または接続法過去になります。

Me gustaría que vayamos al cine.(接続法現在、可能性が高い)
私は私達みんなで映画を見に行きたいんだよねぇ…

Me gustaría que fuéramos al cine.(接続法過去、可能性が低い)
(行けないとは思っているけど)私は私達みんなで映画を見に行けるといいんだけどなぁ…

¡Ojalá! と接続法過去

¡Ojalá + ! の文でも話者が可能性が低いと感じているなら現在や未来のことでも接続法過去形を使います。

¡Ojalá que no lloviera mañana!
明日雨が降らなければいいのに!(可能性が低いとき)

上記の文の状況としては、天気予報などで明日の降水確率が100%の時などが考えられます。あくまでも話者の感覚なのですが、例えば、降水確率が50%以下とかなら接続法現在が使われるのかと思います。

¡Ojalá que no llueva mañana!
明日は雨は降らないで!

婉曲表現

querer, deber, poder の3つの動詞は接続法過去形で婉曲表現としても使えます。

Quisiera mandar este paquete.
この小包を送りたいのですが…

接続法過去形(ra形)は丁寧で控えめな表現になります。

Si + 接続法過去, 可能法(過去未来)

「もしも〇〇だったら、~~なのになぁ」など現在の事実とは違う(反した)仮定の文のときに接続法過去が使われます。

Si tuviera mucho dinero, viajaría a Colombia.
もしもお金がたくさんあったら、コロンビアに旅行するのになぁ

「(現在までコロンビアへ行けていない事実があって)もしもあの時(過去のある時点)にお金がたくさんあったら、コロンビアへ行けてたのになぁ」など過去の事実とは反する仮定の話の場合は接続法過去完了が使われます。

Como + si + 接続法過去

「まるで~~であるかのように」といった意味の文に接続法過去が使われます、「まるで〇〇であったかのように」は接続法過去完了が使われます。

Me habló como si fuéramos conocidos.
彼はまるで知り合いであるかのように私に話しかけた

como si のあとの接続法過去・接続法過去完了の意味の違いはこちらを参考にしてください。
参考 スペイン語のcomo si、接続法過去と接続法過去完了の違い | スペイン語の勉強ブログ

まとめ

  • 接続法過去形は「直説法点過去3人称複数 -ron」から作る。
  • ra形とse形があるが、会話ではra形が圧倒的に一般的。se形は文学や法律文書に多い。
  • まずは規則動詞 → 頻出不規則動詞(tener, ser/ir, poder, decir, querer) の順で覚えると効率的。
  • 接続法過去形は次の場面でよく使われる:
    • 時制の一致(主節が過去のとき)
    • 願望や可能性の度合い(Me gustaría que …)
    • 婉曲表現(Quisiera … など)
    • 仮定法(Si + 接続法過去, 可能法)
    • 比較表現(Como si …)
  • 学習レベルの目安:DELE B1〜B2レベルで必須。作文・会話・試験問題で頻出。
  • ラテンアメリカでは会話でほぼra形のみが使われるため、実用を考えるならまずはra形をマスターすると良い。
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