スペイン語で「~したい」と伝えるとき、基本となるのが querer + 不定詞 です。
ただし、希望や依頼をやわらかく伝えたいときや、そのときの気分を表したいときには、Quisiera…、Me gustaría…、Tener ganas de… など別の表現も使われます。
この記事では、ラテンアメリカでも使われる主な「~したい」の表現について、それぞれの意味やニュアンスの違いを整理します。
基本の「~したい」:querer + 不定詞
- querer + 不定詞 は、自分自身が「~したい」と希望・意思を伝える基本的な形です。
- Quisiera… や Me gustaría… を使うと、希望や依頼をよりやわらかく伝えられます。
- Tener ganas de… は「~したい気分だ」、desear は「望む」という意味で使われます。
- 日本語ではどれも「~したい」と訳せることがありますが、使用場面やニュアンスは同じではありません。
querer はこの使い方では「望む、~したい」という意味になり、その後ろに動詞の不定詞(原形)を続けます。
例えば quiero comer なら「食べたい」、quiero ir なら「行きたい」という意味です。
querer の現在形活用
querer は現在形で語幹の e が ie に変化する動詞です。ただし、nosotros / nosotras と vosotros / vosotras ではこの変化は起こりません。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | quiero |
| tú(vos) | tú: quieres(vos: querés) |
| él / ella / usted | quiere |
| nosotros / nosotras | queremos |
| vosotros / vosotras | queréis |
| ellos / ellas / ustedes | quieren |
vos querés は、グアテマラを含む中米や南米の一部などで使われる二人称単数の形です。この記事の一般的な例文では tú を使用します。
過去形など、その他の時制や詳しい活用については、以下の記事も参考にしてください。
動詞 querer「欲する、愛する」の活用と意味
querer + 不定詞の使い方
querer + 不定詞では、基本的に querer の主語自身が、その後ろの動作をしたいという希望を表します。
Quiero comer algo.
直訳:私は何かを食べることを望みます。
意訳:何か食べたいです。
Quiero hablar contigo.
直訳:私は君と話すことを望みます。
意訳:君と話したいです。
Quiero ir a la cafetería.
直訳:私はカフェに行くことを望みます。
意訳:カフェに行きたいです。
否定文では、no を querer の前に置きます。
Ella no quiere trabajar más.
直訳:彼女はこれ以上働くことを望みません。
意訳:彼女はもうこれ以上働きたくありません。
疑問文でも同じ構造を使えます。
¿Qué quieres hacer?
直訳:君は何をすることを望みますか?
意訳:何がしたいですか?
「君に会いたい」は Quiero verte
人に「会いたい」と言う場合、ver に直接目的格代名詞を付けた形を使うことができます。
Quiero verte.
直訳:私は君を見る・君に会うことを望みます。
意訳:君に会いたいです。
verte は ver + te という形です。「君に会いたい」という通常の文脈では、Quiero verte. と表現できます。
別の人に「~してほしい」と言う場合
querer + 不定詞は、基本的に主語自身が「~したい」場合に使います。
一方、自分ではなく別の人に「~してほしい」と言う場合は、querer que + 接続法という別の構文を使います。
Quiero que comas algo.
直訳:私は、君が何かを食べることを望みます。
意訳:何か食べてほしいです。

Quiero comer. は「私が食べたい」、Quiero que comas. は「君に食べてほしい」という違いなんだね。

そうです。接続法の詳しい仕組みまでここで覚える必要はありませんが、「したい人が誰なのか」で構文が変わることを押さえておくと、区別しやすくなります。
希望や依頼をやわらかく表す
Quiero… は、自分の意思や希望を直接伝える普通の表現です。
お店や窓口などで希望や依頼をもう少しやわらかく伝えたい場合は、Quisiera… や Me gustaría… などを使うことができます。
Quisiera + 不定詞
quisiera は querer の接続法過去形ですが、丁寧な希望や依頼では、過去の出来事ではなく現在の希望を婉曲的に表すためにも使われます。
そのため、この使い方では「~したかった」と過去に訳す必要はありません。
Quisiera comprar un boleto para Bogotá.
直訳:私はボゴタ行きの切符を買いたいのですが。
意訳:ボゴタ行きの切符を1枚買いたいのですが。
Quisiera reservar una habitación.
直訳:私は部屋を予約したいのですが。
意訳:部屋を予約したいのですが。
Quisiera… は、ラテンアメリカでも希望や依頼をやわらかく伝える表現として使われます。
Querría…(可能法・過去未来)でも希望や依頼を婉曲に表すことができます。また、Quería… のように直説法線過去形を使って依頼をやわらげることもあります。
Me gustaría + 不定詞
Me gustaría + 不定詞も、希望をやわらかく、控えめに伝えるときに使える表現です。
gustar を使った構文なので、querer とは文の組み立てが異なります。
Me gustaría ir a México.
直訳:メキシコへ行くことが、私には好ましいだろう。
意訳:メキシコに行けたらいいなと思います。
Me gustaría reservar una mesa para dos, por favor.
直訳:2人分の席を予約することが、私には好ましいのですが、お願いします。
意訳:2人で席を予約したいのですが。
Me gustaría… は、将来してみたいことを話したり、予約や依頼などで希望をやわらかく伝えたりするときにも使えます。
詳しい使い方は以下の記事で解説しています。
スペイン語の「me gustaría」の意味と使い方|婉曲表現「~してみたい・~したいのですが」
気分や願望を表すその他の「~したい」
日本語では同じ「~したい」と訳せても、querer とは少し異なる気持ちを表す表現があります。
Tener ganas de + 不定詞
tener ganas de + 不定詞は、「~したい気分だ」「~したい気持ちがある」という意味で使われます。
querer が意思や希望を比較的直接表すのに対して、tener ganas de はそのときの気分や欲求を表すのに向いています。
Tengo ganas de comer tacos.
直訳:私はタコスを食べたい気持ちを持っています。
意訳:タコスが食べたい気分です。
No tengo ganas de hacer nada hoy.
直訳:私は今日は何もする気持ちを持っていません。
意訳:今日は何もしたくない気分です。
ganas 自体が必ず「無性に~したい」という強い意味になるわけではありません。文脈によっては、強い欲求を表すこともあります。
Desear + 不定詞
desear も「望む」という意味を持つ動詞です。
querer と意味が近い場合がありますが、日常的な希望を表す querer と比べると、desear は文脈によってやや改まった表現として使われることがあります。
ただし、desear が常に querer より強い願望を表すわけではありません。
Deseo viajar por América Latina algún día.
直訳:私はいつかラテンアメリカを旅することを望みます。
意訳:いつかラテンアメリカを旅したいと思っています。
Deseamos participar en el programa.
直訳:私たちはそのプログラムに参加することを望みます。
意訳:私たちはそのプログラムへの参加を希望しています。
普段の会話で単純に「~したい」と伝えるのであれば、まず querer + 不定詞を使えるようにしておくと分かりやすいでしょう。
「~したい」の主な表現の違い
- Quiero + 不定詞: 自分の希望や意思を直接伝える基本的な「~したい」。
- Quisiera + 不定詞: 希望や依頼をやわらかく伝える「~したいのですが」。
- Me gustaría + 不定詞: 控えめな希望を表す「~できたらいいな」「~したいのですが」。
- Tengo ganas de + 不定詞: そのときの気分や欲求を表す「~したい気分だ」。
- Deseo + 不定詞: 「~することを望む」。文脈によっては querer より改まった表現として使われる。
日本語ではどれも「~したい」と訳せる場合がありますが、完全に同じ意味ではありません。
まずは基本となる querer + 不定詞を理解し、そのうえで、希望や依頼をやわらかく伝えたいときには Quisiera… や Me gustaría…、そのときの気分を表したいときには Tener ganas de… のように使い分けると、それぞれの表現の違いを整理しやすくなります。

