自分の意思や希望を伝える「~したい」という表現は、スペイン語学習において最も重要で、かつ使用頻度が高いフレーズの一つです。
基本となる動詞 querer はもちろんですが、相手に何かをお願いする場合や、「~する気分だな」といったニュアンスを伝える場合など、シチュエーションによって使い分けることで、会話がぐっと自然になります。
この記事では、中南米(ラテンアメリカ)で実際に使われている表現を中心に、スペイン語の「~したい」を網羅的に解説します。
基本の「~したい」:querer + 不定詞
最も一般的で、ストレートに「~したい」と伝える表現です。動詞 querer(欲する・愛する)の後ろに、動詞の原形(不定詞)を続けるだけで文章が作れます。
querer の現在形活用
querer は語幹母音が変化する(e ⇒ ie)不規則動詞です。まずは基本の活用を抑えましょう。
| 主語 | 活用形 |
|---|---|
| yo | quiero |
| tú / vos | quieres / querés |
| él / ella / usted | quiere |
| nosotros / nosotras | queremos |
| ellos / ellas / ustedes | quieren |
※表中の vos / querés は、アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアの一部や中米などで使われる二人称単数(VOSEO)の活用です。
過去形など、その他の時制や詳しい活用については以下の記事も参考にしてください。
参考:動詞 querer「欲する、愛する」の活用と意味【例文あり】
querer を使った例文
Quiero comer algo.
直訳:私は何かを食べることを欲する。
意訳:何か食べたいな。
Quiero hablar contigo.
直訳:私は君と話すことを欲する。
意訳:君と話がしたい。
Quiero ir a la cafetería.
直訳:私はカフェに行くことを欲する。
意訳:カフェに行きたい。
Quiero ver la película del Hombre Araña.
直訳:私はスパイダーマンの映画を見ることを欲する。
意訳:スパイダーマンの映画が見たい。
Quiero verte.
直訳:私は君を見る(会う)ことを欲する。
意訳:君に会いたい。
※「会いたい」と言う場合、ver contigo ではなく、直接目的語を使った verte や ver a ti という形が一般的です。
Ella no quiere trabajar más.
直訳:彼女はこれ以上働くことを欲さない。
意訳:彼女はもうこれ以上働きたくない。
¿Qué quieres hacer?
直訳:君は何をすることを欲するのか?
意訳:何がしたいの?
丁寧な「~したいのですが」:Quisiera / Me gustaría
お店での注文や、窓口でのお願いごとの際、Quiero...(~したい!)と言うと、少し子供っぽく聞こえたり、直接的すぎてぶっきらぼうに聞こえることがあります。
大人の会話として、少し婉曲的で丁寧な言い回しを覚えましょう。
1. Quisiera + 不定詞(接続法過去)
ラテンアメリカの日常会話や旅行先で最も重宝するのが Quisiera… です。
文法的には「接続法過去形」ですが、難しく考えず「Quieroの丁寧バージョン」としてフレーズで覚えてしまいましょう。
Quisiera comprar un boleto para Bogotá.
直訳:ボゴタ行きのチケットを買うことを欲したのですが(仮定)。
意訳:ボゴタ行きのチケットを一枚買いたいのですが。
Quisiera hacer el trámite para prorrogar mi visa.
直訳:ビザを延長するための手続きをすることを欲したのですが(仮定)。
意訳:ビザ延長の手続きをしたいのですが。
Querría(可能法)について
文法書には丁寧表現として Querría(可能法)も載っていますが、発音に巻き舌(rr)が含まれるため、日本人には少し言いづらい場合があります。
ラテンアメリカでは Quisiera が非常に好んで使われるため、まずは発音が楽で自然な Quisiera を使いこなせれば問題ありません。
2. Me gustaría(可能法)+ 不定詞
「(もしできるなら)~だと嬉しいのですが」という、控えめで上品なニュアンスが含まれます。gustar(気に入る)の活用なので、文の構造が querer とは異なります。
Me gustaría ir a México.
直訳:メキシコに行くことが、私にとって好ましいだろう。
意訳:メキシコに行けたらいいなぁ(行きたいなぁ)。
Me gustaría reservar una mesa for favor.
直訳:テーブルを予約することが、私にとって好ましいのですが。
意訳:席の予約をしたいのですが。
この表現は、予約や丁寧な依頼で非常によく使われます。詳しい使い方は以下の記事で解説しています。
スペイン語の「me gustaría」の意味と使い方|婉曲表現「~してみたい・~したいのですが」
気分や願望を表すその他の表現
querer 以外にも、その時の気分や願望の強さに応じて「~したい」を表すフレーズがあります。
Tener ganas de + 不定詞
「~する気がある」「~したい気分だ」という意味で、日常会話で非常によく使われます。「無性に~したい!」という衝動的な欲求を表すのにも適しています。
Tengo ganas de comer tacos.
直訳:私はタコスを食べる欲求を持っている。
意訳:タコスが食べたい気分だ(無性にタコスが食べたい)。
No tengo ganas de hacer nada hoy.
直訳:今日は何もする気を持っていない。
意訳:今日は何もしたくない気分だ。
Deseo + 不定詞
動詞 Desear(望む、切望する)を使った表現です。querer よりも硬く、強い願望を表します。書き言葉や、改まったスピーチ、あるいは新年の挨拶などで使われることが多いです。
Deseo viajar por todo el mundo.
直訳:私は世界中を旅することを切望する。
意訳:世界中を旅したいと願っています。
Te deseo un feliz cumpleaños.
直訳:私は君に対して幸せな誕生日を望む。
意訳:誕生日おめでとう。
まとめ
スペイン語の「~したい」には、相手や状況に合わせた使い分けがあります。
- Quiero + 不定詞: 基本の「~したい」。家族や友達、一般的な意思表示に。
- Quisiera + 不定詞: お店や窓口で「~したいのですが」と丁寧に頼むときに(ラテンアメリカで頻出)。
- Me gustaría + 不定詞: 「~できたらいいな」という控えめな願望や、丁寧な予約などに。
- Tengo ganas de + 不定詞: 「~したい気分!」「無性に~したい」という感情・ムードを伝えるときに。
まずは基本の Quiero を使いこなし、お店に入ったら Quisiera に切り替える。この2つを意識するだけでも、あなたのスペイン語はぐっと現地の感覚に近づきます。
ぜひ、実際の会話で使ってみてください!

