どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。日本語訳は直訳寄りです。文法や単語の意味を理解するため、自然な日本語とは異なる場合があります。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。
スペイン語の学習をしていると「自動詞」「他動詞」という言葉をよく目にします。辞書や文法書に出てきますが、違いがよく分からないという学習者も多いでしょう。この記事では、自動詞と他動詞の違いを例文とともに分かりやすく解説します。
自動詞と他動詞の違いは「直接目的語」の有無
スペイン語で自動詞と他動詞を区別するポイントは動詞のあとに直接目的語を必要とするかどうかです。
直接目的語とは?
目的語とは、動詞の行為の対象になる「何」「誰」にあたる言葉です。そのうち直接目的語は、日本語の「~を」に相当することが多いです。
※スペイン語には直接目的語のほかに間接目的語(主に「~に」に相当)もあります。
El joven toca la guitarra.
その若者はギターを弾く
Él quiere a su mujer.
彼は彼の奥さんを愛する
これらを受動態にすると、直接目的語が主語になります。
La guitarra es tocada por el joven.
そのギターは若者によって弾かれる
自動詞(直接目的語なしに使える動詞)
自動詞は直接目的語を必要としないため、「主語 + 自動詞」だけで文が成立します。
El bebé habla.
赤ちゃんは話す
間接目的語を伴うことも可能です。
Él habla a la azafata.
彼はスチュワーデスに話しかける
移動や生理的活動を表す動詞には自動詞が多く見られます。
Mi carro todavía anda bien.
私の車はまだよく走る
La semana que viene iré a España.
来週、私はスペインに行くつもりです。
El niño duerme bien.
その子はよく眠る
他動詞(直接目的語と共に使う動詞)
他動詞は必ず直接目的語を伴うので、最も短い文は「主語 + 他動詞 + 直接目的語」になります。
Alejandra lee el periódico.
アレハンドラは新聞を読む
Paco ofreció unas flores a Alejandra.
パコはアレハンドラに花を差し出した
自動詞と他動詞の両方で使える動詞
スペイン語には、自動詞としても他動詞としても使える動詞が存在します。
andar(歩く・進む)
El negocio anda bien.
仕事はうまくいっている(自動詞)
Juan anda el camino de la montaña.
フアンはその山道を歩く(他動詞)
correr(走る / 追う)
Los niños corren en el parque.
子供たちは公園で走る(自動詞)
El atleta corrió la maratón.
その選手はマラソンを走った(他動詞)
自動詞と他動詞を見分ける方法
実際に文を読むときや辞書を引くときに、自動詞と他動詞を区別するためのヒントをいくつか紹介します。
- 辞書の表記を確認する:スペイン語辞書では「intr.(自動詞)」「tr.(他動詞)」と略されます。
例:hablar, intr.(自動詞)/ leer, tr.(他動詞) - 直接目的語を取れるか試す:動詞の後に「何を?」「誰を?」を置いて自然な文になるなら他動詞。ならないなら自動詞。
例:Vivo en Madrid.(私はマドリードに住んでいる → 自動詞、直接目的語を伴わずに使う)
例:Leo un libro.(私は本を読む → 他動詞) - 受動態にできるかどうか:他動詞は受動態にできますが、自動詞はできません。
例(自動詞):El bebé duerme.(赤ちゃんが眠る → ❌「眠られる」とは言えない)
例(他動詞):El libro fue leído por Juan.(その本はフアンによって読まれた) - 意味のグループで覚える:移動や存在を表す動詞は自動詞が多く、行為や対象を伴う動詞は他動詞が多い。
例(自動詞):El tren llega a la estación.(電車が駅に到着する)
例(他動詞):María escribe una carta.(マリアは手紙を書く)
まとめ
- 自動詞:直接目的語を伴わず「主語 + 動詞」で文が成立する
- 他動詞:必ず直接目的語を伴い「主語 + 動詞 + 目的語」の形になる
- 一部の動詞は自動詞・他動詞どちらでも使える(例:andar, correr)
自動詞と他動詞の違いを理解すると、スペイン語の文章がぐっと分かりやすくなります。辞書で動詞を調べるときも「自」「他」の区別に注目してみましょう。