どちらかというとラテンアメリカのスペイン語です。日本語訳は直訳寄りです。文法や単語の意味を理解するため、自然な日本語とは異なる場合があります。初級者による記録のため誤解があるかもしれません。ご理解くださいませ。
スペイン語の進行形は estar + 現在分詞 で表します。
例:Yo estoy escribiendo este artículo.(私はこの記事を書いています)
これを直説法過去形にすると「過去進行形」になりますが、点過去(estuve) と 線過去(estaba) のどちらを使えばよいのでしょうか?
答えは「どちらも正しい」です。ただし意味とニュアンスが変わるので、使い分けを理解することが大切です。
estar の線過去 + 現在分詞(estaba + 現在分詞)の使い方
状況や背景を説明する「~していた」
Cuando salí de casa, estaba lloviendo.
私は家を出たとき、雨が降っていた
Cuando me llamaste anoche, estaba trabajando en la oficina.
昨夜、君が電話をくれたとき、私はオフィスで働いていた
このように背景や状況を描写するときに使います。複数の動作を同時進行で説明することも可能です。
Cuando ocurrió el accidente,
(事故が起こったとき)
yo estaba esperando en el semáforo,
(私は信号待ちをしていました)
la abuelita estaba atravesando la calle,
(おばあちゃんは通りを横切っていました)
y el chófer estaba mirando a una mujer joven que caminaba.
(そして、運転手は歩いていた若い女性を見ていました)
描写の過去進行形の部分を線過去(esperaba, atravesaba, miraba)に置き換えられる場合もありますが、動作が進行中であることを強調したいときは「過去進行形」にしたほうが自然です。
estar の点過去 + 現在分詞(estuve + 現在分詞)の使い方
行為が限定的・完結的な「~していた」
Yo estuve trabajando en la oficina anoche.
私は昨夜オフィスで働いていた
この場合、単なる事実として「そのとき働いていた」ことを伝えるだけで文が完結します。
一方で Yo estaba trabajando… というと「そのとき働いていたんだけど…」と話が続くニュアンスになります。
限定された時間の表現
Yo estuve viviendo un año en Perú.
私はペルーに1年間住んでいた
※ただし日常的には「Viví un año en Perú.」の方がより自然です。強調や限定性を出したい場合に「estuve viviendo」を使うことがあります。
点過去と線過去の過去進行形の違いまとめ
- 線過去の進行形(estaba + 現在分詞):背景や進行中の動作、同時並行の出来事
- 点過去の進行形(estuve + 現在分詞):限定的・完結的な動作、その行為自体が中心
「昨日の夜はオフィスで働いていた」と答えるだけなら点過去、
「働いていたときに電話があった」という背景説明を加えるなら線過去を使います。
例:
— ¿Qué hiciste anoche?
(昨夜、君は何をしましたか?)
— Estuve trabajando en la oficina.
(私はオフィスで働いていた)
※会話では「Trabajé en la oficina.」ともよく言われます。
— Anoche estuve trabajando en la oficina,
(昨夜、私はオフィスで働いていました)
— y cuando estaba trabajando mi cliente me llamó.
(そして、働いていたときに、私の顧客から電話があった)
まとめ
スペイン語の過去進行形は estuve と estaba の両方で表せます。
「線過去 + 現在分詞」のかたちを見かけることが多く、「過去進行形=線過去」と思い込みがちですが、実際には点過去の進行形も存在します。
使い分けのコツ:
- 背景・状況の説明 → 線過去の進行形(estaba + 現在分詞)
- 限定的・完結的な行為の描写 → 点過去の進行形(estuve + 現在分詞)