スペイン語の動詞 pensar は、「考える」や「思う」という意味を持つ非常に重要な単語です。
pensar の活用において注意すべき点は、語幹母音変化(e ⇒ ie)です。直説法現在形、接続法現在形、命令法の一部の主語で、母音の e が ie に変化します。それ以外の時制では、規則動詞(-ar動詞)と同じ変化をします。
この記事では、pensar のすべての活用形を網羅し、検索頻度の高い「〜だと思う」の表現や、学習者が迷いやすい creer(信じる・思う)との使い分けについても詳しく解説します。
スペイン語動詞 pensar の活用表
ここでは、pensar のすべての活用を紹介します。
ラテンアメリカで使われる vos(君)や、スペインで使われる vosotros(君たち)も含めた完全版の表を掲載しています。
分詞(現在分詞・過去分詞)
分詞は語幹母音変化の影響を受けず、規則変化します。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| 現在分詞 | pensando |
| 過去分詞 | pensado |
直説法(現在・点過去・線過去・未来)
直説法現在形では、1人称単数(yo)、2人称単数(tú)、3人称単数(él/ella/usted)、3人称複数(ellos/ellas/ustedes)で e ⇒ ie の変化が起こります。
※vos(ラテンアメリカの一部で使用)の活用ではアクセント位置が後ろに移動し、二重母音化しません。
直説法現在形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pienso |
| tú / vos | piensas / pensás |
| él / ella / usted | piensa |
| nosotros / nosotras | pensamos |
| vosotros / vosotras | pensáis |
| ellos / ellas / ustedes | piensan |
直説法点過去形
点過去形は規則変化です。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pensé |
| tú | pensaste |
| él / ella / usted | pensó |
| nosotros / nosotras | pensamos |
| vosotros / vosotras | pensasteis |
| ellos / ellas / ustedes | pensaron |
直説法線過去形
線過去形は規則変化です。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pensaba |
| tú | pensabas |
| él / ella / usted | pensaba |
| nosotros / nosotras | pensábamos |
| vosotros / vosotras | pensabais |
| ellos / ellas / ustedes | pensaban |
直説法未来形
未来形は規則変化です。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pensaré |
| tú | pensarás |
| él / ella / usted | pensará |
| nosotros / nosotras | pensaremos |
| vosotros / vosotras | pensaréis |
| ellos / ellas / ustedes | pensarán |
可能法(過去未来)
可能法(条件法)も規則変化です。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pensaría |
| tú | pensarías |
| él / ella / usted | pensaría |
| nosotros / nosotras | pensaríamos |
| vosotros / vosotras | pensaríais |
| ellos / ellas / ustedes | pensarían |
命令法(肯定・否定)
命令法では、肯定命令と否定命令で活用が異なる場合があります。
tú への肯定命令は、直説法現在形3人称単数(piensa)と同じ形になりますが、vos への肯定命令は語尾にアクセントが移動します(pensá)。
| 主語 | 肯定命令 | 否定命令 |
|---|---|---|
| tú | piensa | no pienses |
| vos | pensá | no pienses |
| usted | piense | no piense |
| nosotros | pensemos | no pensemos |
| vosotros | pensad | no penséis |
| ustedes | piensen | no piensen |
接続法(現在・過去)
接続法現在形でも e ⇒ ie の語幹母音変化が起こります。nosotros と vosotros では変化しません。
接続法現在形
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | piense |
| tú / vos | pienses |
| él / ella / usted | piense |
| nosotros / nosotras | pensemos |
| vosotros / vosotras | penséis |
| ellos / ellas / ustedes | piensen |
接続法過去形(ra形)
接続法過去形は規則変化です。
| 主語 | 活用 |
|---|---|
| yo | pensara |
| tú | pensaras |
| él / ella / usted | pensara |
| nosotros / nosotras | pensáramos |
| vosotros / vosotras | pensarais |
| ellos / ellas / ustedes | pensaran |
pensar の基本的な意味と使い方
ここからは、pensar の具体的な使い方を例文とともに解説します。
考える、思う(思考プロセス)
最も基本的な意味は、頭を使って「考える」ことです。
Pienso, luego existo.
直訳:私は考える、それゆえに私は存在する
意訳:我思う、ゆえに我あり
No pienses, ¡siente!
直訳:考えるな、感じろ!
意訳:考えるな、感じろ!
~だと思う【que + 直説法 / no … que + 接続法】
自分の意見を述べる際によく使われます。肯定文では直説法を、否定文では接続法を使うのが一般的です。
肯定文:pensar que + 直説法
Pienso que ella está ocupada.
直訳:彼女は忙しいと私は考える
意訳:彼女は忙しいと思います。
Pensábamos que Joaquín era más joven.
直訳:私たちはホアキンがもっと若いと考えていた
意訳:ホアキンはもっと若いと思っていました。
否定文:no pensar que + 接続法
「~だとは思わない」と否定する場合、従属節(que以下の文章)の動詞は接続法になります。これは、話し手がその内容を事実として認定していないためです。
No pienso que sea buena idea.
直訳:それが良い考えだとは私は考えない
意訳:それが良い考えだとは思いません。
~のことを考える【pensar + en】
特定の人や物事に意識を向ける場合は、前置詞 en を使います。
¿En qué piensas?
直訳:何において君は考えているのか?
意訳:何考えてるの?
Siempre pienso en ti.
直訳:いつも君において私は考えている
意訳:いつも君のことを想っています。
~についてどう思う【pensar + de / sobre】
意見を求めたり述べたりする際、前置詞 de と sobre が使われますが、ニュアンスに違いがあります。
- pensar de…:主に疑問文で「〜についてどう思う?(意見)」と聞くときに使います。
- pensar sobre…:あるテーマについて「〜について(深く)考える、思案する」というときに使います。
¿Qué piensas de ella?
直訳:彼女について何を思うか?
意訳:彼女のことどう思う?(彼女に対する意見・評価)
Necesito pensar sobre este problema.
直訳:この問題について考える必要がある
意訳:この問題についてよく考える必要があります。(検討・思案)
~するつもりだ【pensar + 不定詞】
pensar の後ろに動詞の原形(不定詞)を続けると、「〜するつもりだ」「〜しようと思っている」という計画や意図を表します。
Ellos piensan ir a Argentina.
直訳:彼らはアルゼンチンに行くことを考えている
意訳:彼らはアルゼンチンに行くつもりです。
Pienso retirarme el año que viene.
直訳:来年、私は引退することを考えている
意訳:来年引退しようと思っています。
~することを思いつく【pensar + en + 不定詞】
pensar en の後ろに動詞の原形が来ると、「〜することを思いつく」や「〜することを考慮する」といったニュアンスになります。
No pensé en decírtelo.
直訳:君にそれを言うことにおいて私は考えなかった
意訳:君にそれを言おうとは思いつかなかった。
【応用】「~だと思う」と言いたい時、Pensar と Creer どちらを使う?
「~だと思う」とスペイン語で言いたい時、pensar と creer のどちらを使うべきか迷うことがあります。日本語訳は同じでも、スペイン語では「どこで判断しているか」というプロセスに明確な違いがあります。
「心」の Creer、「頭」の Pensar
この2つの単語は、ラテン語の語源を知るとイメージが掴みやすくなります。
- Creer(信じる):語源は「心臓を置く」。自分の心をそこに置く、つまり「直感」や「心情」として信じること。
- Pensar(考える):語源は「天秤にかける」。重さを量る、つまり「脳」を使って情報を分析・計算すること。
具体的な使い分けの例
日常会話で自分の意見を言う場合、基本的には Creo que… を使うのが自然です。しかし、あえて分析的なニュアンスを出したい場合は Pienso que… を使います。
例えば、「彼は無実だと思う」と言う場合を比べてみましょう。
Creo que es inocente.
意訳:彼は無実だと思う。
ニュアンス:私の感覚として、彼を信じている。(スタンス、信仰、直感)
Pienso que es inocente.
意訳:(状況から考えて)彼は無実だと思う。
ニュアンス:状況証拠や情報を分析した結果、彼は無実だという論理的な結論になる。
日常会話で「明日晴れると思う」や「美味しいと思う」と言うときに Pienso que を使うと、少し理屈っぽく聞こえることがあります。
自分の意見に客観性を持たせたい時や、議論の場では Pienso que、普段の会話や自分の気持ちを伝える時は Creo que と使い分けると良いでしょう。
よく使われる慣用表現
最後に、日常会話でよく使われるフレーズを紹介します。
¡Ni lo pienses!
直訳すると「それについて考えるな」ですが、相手の行動を強く制止する際に使います。
¡Ni lo pienses!
直訳:それ(を行うこと)を考えるな
意訳:絶対にダメだ!/とんでもない!/夢にも思うな!
まとめ
スペイン語の動詞 pensar について解説しました。
- 活用では、e ⇒ ie の語幹母音変化に注意が必要です。
- 「~だと思う」と言う場合、日常会話では Creo que が一般的ですが、論理的に考えた結果を述べる場合は Pienso que を使います。
- 否定文「~だとは思わない(No pienso que…)」の後ろは接続法になります。
自分の頭で考えたことや計画を伝える際に、ぜひ pensar を使ってみてください。

